英国のEU離脱

英国の国民投票で離脱派が過半数を制し、EUからの離脱が決まりました。

残留派と離脱派が拮抗している中でしたが、最終的にはEU 残留となると見ていただけに、今回の結果に驚いています。

世界の株式市場は一斉に値を下げ、為替相場にも影響を与えました。ポンドやユーロは急落し、円・ドルが買われ一時、円は1ドル=99円まで急騰し、東京株式市場の終値は1,286円下げ、14,952円となりました。

今後、リーマンショック時のように世界同時株安・金融危機に繋がるとは考えませんが、英国のEU離脱は英国と欧州の成長、米国・中国そして日本経済に影響があることは間違いありません。
余波は相当長く続くのではないでしょうか。

英国のEU離脱は、経済だけでなく政治的な変化を世界にもたらすことになると思います。安全保障にも関わってくると思います。

国論を二分した、英国内の国民感情、対立の溝は英国政治にどのような変化をもたらすのでしょうか? EUと英国との新たな関係はどうなって行くのでしょうか。
正式に離脱するには、少なくとも2年かかるといいます。スコットランドやアイルランドの独立(英国の分裂)への影響はどんな結果となるのでしょうか。

一方、EU各国の反ユーロ派政党を勢いづかせることになったことで、難民・移民問題やEUの政治統合に反対する立場とユーロ推進の立場の人々が対立し、各国で政情不安を招くことも考えられます。欧州分裂に繋がらないとは言えません。

こうした中、過激組織「イスラム国」の付け入る状況になれば本当に恐ろしいことになると思います。

新聞には、『キャメロン首相の誤算』とか『理性を越えた国民感情』等色々と書かれていますが、私には世界で進んでいる、『「グローバル化」と「ローカル」・「ナショナリズム」の戦い』が底流にあると感じます。