「全国政策研究集会」

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大学道り

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東キャンパス

「全国政策研究集会」へ参加してきました。今年は東京の多摩・国立市の一橋大学で開催されました。

昨日19日(金)は13時から基調講演、「地方自治ってなんだ~立憲主義と自治体~」講師は木村草太(首都大学東京教授)さん。14時30分~てい談「地方自治と地方創生」。上原公子(元国立市長)さん・阿部裕行(多摩市長)さんと保坂展人(世田谷区長)さんです。16時15分~18時15分は分科会。私は「法施行1年、生活困窮者自立支援法の実践報告」講師青木康二(グリーンコープ生活協同組合ふくおか)を選びました。

各セッションとも講師の話の後、全国から集まった地方議員と一般市民が質疑応答や意見交換を行います。いろいろな質問や意見が出てオモシロイ時間です。出席者は100人を超えていたと思いますが、初めて参加される方が多かった研究集会でした。

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木村草太さん

 

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左から上原さん・阿部さん・保坂さん

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青木さん

今日20日(土)は、分科会が9時30分~11時30分まで。私は『「地方創生」競争に踊らされずに、豊かな暮らしを実現する道は?』に参加。講師は日本総研上席主任研究員の藤波 匠さんと社会学者の新 雅史さんでした。その後、11時45分~全体会を開き解散となりました。

初日の夜には参加者の交流会、「地産地消レセプション」が開かれます。毎回それぞれの市や町の特産品や名産品を持ち寄り、飲んだり食べたりして懇談します。議会や市の様子そして取り組んでいる課題や悩み等、本音で話すことが出来ます。19日(金)18時45分からでしたが、「吉川市国民保健運営協議会」が19時から市役所であったため、今回は参加出来ませんでした。また、参加者は全国から集まりますので、オプショナルツアーがあります。18日が小金井市の環境配慮型施設と地域の寄合所の見学、19日は立川市の砂川・立川基地をめぐるツアーでした。

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参加者(全体での会合)

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会場(マーキュリータワー)から市内を望む

首都大学東京の木村草太さんの話は、以前から聞いてみたいと思っていました。昨年の安保法制審議が行われている頃よくテレビで拝見しました。話す内容も話し方も含め「ただ者ではない」と感じていましたが、実際にお話しを伺うと、ユーモアのセンスに溢れたシャープな方だと思います。今回の話の中で特に印象深く思ったのは憲法の使い方についてでした。

「辺野古基地建設問題」等、地方自治の現場で憲法を使うことです。辺野古移設の法的根拠の不十分さは、憲法41条、92条、95条から出てきます。内閣だけで移設を決定することは、出来ないのでは?という疑問、問題です。

41条は、国会は、国権の最高機関であって、「唯一の立法機関」。92条は、地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいてこれを定める。95条では、一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない、とあります。

外交・防衛は国の権限であり地方自治体は関係ないと思われていますが、やるからには、辺野古基地設置法の制定が必要であり法律事項として進めるべきという考え方です。

辺野古問題の経過をみると、2005年日米安全保障協議委員会で『普天間代替施設を設置する』ことを発表。2006年5月、小泉内閣が『普天間飛行場のキャンプシュワブへの移設』を閣議決定。2010年5月、鳩山内閣は閣議決定で、『キャンプシュワブ辺野古崎地区及びこれに隣接する水域に設置することとし、必要な作業を進めて行く』としました。2012年4月、日米安全保障協議委員会で、『キャンプシュワブ辺野古崎地区及びこれに隣接する水域に設置することが計画されている普天間飛行場の代替施設が、引き続き、これまでに特定された唯一の有効な解決策であるとの認識を再確認する』旨の共同発表がされました。

しかし、どれも法律に基づいたものではありません。安全保障政策を進める上で自治権を制限することになれば、それはやはり憲法をはじめ法律に基づきやるべき事柄です。このことを国会で与野党議員はしっかりと議論し、マスコミも「本質的」な問いかけと確認をすべきだと思います。木村草太首都大学教授は、国民は憲法を通じて、国家機関にどのような権限を与えているのか(統治機構論) 、「辺野古基地建設問題」は内閣だけで決定して良い問題なのかが問われている、と指摘しています。「立憲主義」の問題でもあります。

 

日本総研の藤波 匠さんの話もスゴイ内容でした。今年2016年4月に出された『人口減が地方を強くする(日本経済新聞社)』に書かれている内容の裏付けデーターを中心に説明をされました。 少子高齢化・過疎・限界集落・コンパクトシティ・一極集中等、の理解を「人口動態」から分析して、実際に起こっている状況を正しく認識したうえで今後の方向を示すものでした。

新聞に書かれていることやテレビそして政府の流す情報についても鵜呑みには出来ません。実際起こっている状況を再度自分の目で確かめ、自分で考える事の大切さを改めて知らされた分科会でした。同時に、根拠となるデーターをしっかりと確認することの必要性を感じました。RESASの活用なども課題だと思います。

*昨年度の「全国政策研究集会」は兵庫県の姫路市での開催でした。2015年8月23日(研究集会)・8月29日(号泣議員から進んだ県議会改革)のブログをご参照ください。

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藤波さん

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データ

 

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