丸山穂高議員への「糾弾決議」

6月6日、衆議院本会議で丸山穂高議員に対する「糾弾決議」が全会一致で可決された。

採決時に自民党の小泉進次郎議員が退席したという。

小泉氏は「丸山さんの言動をかばえるものは何もない。でも、議員の出処進退は議員一人ひとりが判断すべきことで、辞めなかったとき、その方をどうするかを判断するのは選挙だ。それが有権者に与えられた民主主義という力だ」と指摘した。

同感です、私もそうだと思います。

今回のことは、ビザなし交流訪問団の一員としてクリル列島(千島列島)を訪問していた丸山氏の発言が発端です。5月11日の夕方、国後島「友好の家」で開かれた懇談会の席で、「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」「戦争しないと、どうしようもなくないですか」等と言ったと伝えられています。

日本から見れば北方領土ですが、70年以上ロシアが実効支配している土地です。「友好の家」の外でのことだったら、戦争を煽る発言だと受け止められて「逮捕」されていたかも知れません。当然、日露間での大きな紛争、外交問題になっていたと考えられます。何も考えずに発言したのでしょうか。

日本国憲法第9条では、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」とあります。

東京大学を卒業し経済産業省の官僚となり、そして国会議員になった方です。当然理解されていることだと思います。

国内で、個人的(身内等)な集まりでのことであれば、酔っ払いの不規則発言として、「バカな人、困った方」で終わり、外に出ることはなかったでしょう。

彼もまた、時々見かける「偏差値は高いがバカな人」なのかも知れません。

それにしても、国会で実質的に議員辞職を促す「糾弾決議」を可決することは、法的拘束力はないものの、行き過ぎではないでしょうか。

選挙対策と党利党略もあると思いますが、衆議院としての姿勢を示さなければいけないという「空気感」に忖度しているように思います。

世の中の雰囲気に応えようと「けしからん罪(実際にはありません)」という罪を罰する決議のように感じます。

こうしたことがさらに進むと、集団による反対派や少数派の抑圧、「ものが言えない議会」、「ものが言えない社会」になります。

そうして国の方向を誤らせた過去を思い起こすべきだと思います。

決議案で「国会議員としての資格はないと断ぜざるを得ない」と全会一致で可決しましたが、これまで不品行で問題となった議員をはじめ、他の議員達も皆、本当に*「選良」と呼べる人達なのでしょうか。

*「選良(せんりょう)」:国語辞典には、多くの人の中から選びだされた立派な人。特に選挙で選ばれた代議士。とあります。丸山議員を選んだのは私達、有権者(市民)です。議員を続けさせるのか、辞めていただくのかは「選挙」で私達が決めることだと思います。