映画「新聞記者」

6月28日から公開されている「新聞記者」を先日見ました。
望月衣塑子(東京新聞社会部記者)さんの書いた「新聞記者」を原案に作られた映画です。

5月に望月衣塑子さんの講演を聞き、本も読んでみました。どんな映画になるのか興味がありました。

テーマは「権力と報道」です。

大学の新設計画にまつわる極秘情報の真相を暴く物語です。
加計学園、詩織さんの性被害、前川喜平前文部科学省事務次官の「出会い系バー」報道等を連想させる、安倍政権と関わりのある事件が絡み合って展開していきます。

見終わって、重たい感じになりました。全体に暗く、怖い雰囲気が漂っています。

映画の中で、「内閣情報調査室」が現政権を守るため不都合なニュースをコントロールし、世論を作り上げていく姿は、加計学園、詩織さん、前川喜平氏で実際に見せられてきたものだけに、姿なき権力の怖さを理解させるものでした。

「この国の民主主義は形だけでいいんだ」と官僚が語るシーンがありましたが、現在の閉塞感を感じさせる象徴的な言葉だと思います。

望月さんは本の中で、ある役人の言葉を紹介しています。『頭がいいとか、どこの社とかじゃない。自分が新聞記者に情報を話すかどうかは、事の本質に関して、その記者がどれだけ情熱をもって本気で考えているかどうかだ』。また、「ここまでなら言ってもいいと線引をしている」と書いています。

それは、ひたむきに真実を追求する記者の姿勢に組織や立場を超えた「共感の心情」が生まれるからではないでしょうか。

新聞記者も役人も「人」です。

もう少し「人間関係」に迫った表現があった方が良かったのでは、と感じる映画でした。

【7月14日追記】 これまでいろいろな問題について、近隣市役所を始め埼玉県庁や省庁へ相談に行ってきました。担当者からは決まって、『吉川市さんのことは、吉川市さんが一番分かっていると思います。個別具体的な事案について、私どもが言う立場にはありません。お話しできるとしても、あくまで一般論でのお話しです。』と、はじめに言われます。

どういわれても、分かっている方に直接お会いし話すことが重要だと思っていますので、先方の都合に合わせて伺うようにしてきました。。

「解決」したい問題について、内容と状況を説明します。そして私が「何のために・誰のために、何をしたいのか」を伝えます。関連する資料や問題を取り扱った「議会報告」のチラシ等も用意します。目的と自分の立ち位置をはっきりさせることが必要だと考え、そうしてきました。

また市の考え方や主張を明確に伝えるとともに、私の考えや意見を聞いてもらうこともあります。そうしていると、いろいろな形で担当者から示唆を受けることがあります。

ある省の担当者は、『稲垣さん、議会でこういう質問をされたらどうですか』とつぶやきました。それは、市の判断の誤りを突く核心的内容でした。また別の所では、担当者が自分の休日を使って吉川へ来て「現場」を確認されました。その上で、『自分のところではこのように判断する。その理由はこうです』と話されたことがあります。

市と市民にとって、より良い方向性を考える大きなヒントを与えて頂いたと思っています。自信を持って取り組むことが出来ます。

新聞記者も議員も、「情熱」と「信頼」そして「共感の心情」があってよい仕事が出来るのではないでしょうか。

*望月衣塑子さんについては、5月19日のブログで紹介しています。