「議会」がオモシロくなってきました!

6月2日(火)に始まった6月議会は17日(水)に終わりました。15日(月)~17日(水)は一般質問でしたが、19人の議員のうちなんと17人が質問に立ちました。議長を除くとやらなかったのは1人だけでした。

来年の「市議会議員選挙」への意識もあると思いますが、何といっても市長が交代したことが最大の理由だと思います。いつになく、全体を通して活発に質問が行われた議会でした。
前市長の4期16年間を市長与党として支えてきた自民・公明が、中原市長の姿勢と力量を見極め、今後どのような立場で臨むのかを考えるための議会だったと思います。また、共産党を含め自分たちの力と存在感を誇示し、市長への影響力を確保したいとの思惑が見え隠れする16日間でした。

議場は連日、傍聴者で満員となり、委員会での審査にも市民の姿が見られました。傍聴人のお陰で、居眠り議員と品位のないヤジは大幅に減りました。活発な質問を通して、議員の資質とスタンスが少し明らかにされたと思います。

私から見ると、自民・公明・共産も相当頑張っていたと思いますが、傍聴に来られた方からは、『これほど、ヒドイ議会だとは思っていなかった』との、厳しい意見を頂きました。

代表質問・議案質疑・一般質問を通して、中原新市長に対し批判的な質問が繰り返されたことや、稚拙な質問やおかしな議会運営を見てそう感じたようです。吉川市議会の課題が浮き彫りになった議会でした。

市長の「施政方針」に書かれていること全般について質問がされました。特にフロリデーションの問題や「個別契約」の締結と医師会との関係、新庁舎建設の見直し、第四中学校建設、吉川美南駅東口周辺開発、地方創生の他、市長給与の削減と市長キャラバン等に質問が集中しました。

「施政方針」や、選挙戦での「公約」に関連したことを質問し、それらに対する意見や批判を述べるのは議員として当然の事だと思います。まして、これまでの体制をひっくり返した市長です。フロリデーションや予防接種問題では、自分たちが言ってきたことと違う立場に立って選挙戦を戦い民意を得た人です。身の置き場のない議員達が、出来るだけ痛い所を追及し、困らせてやりたいと質問するのはもっともです。動機や内容を別にすればスゴイことです。議員になって初めて事前に勉強して質問に立った議員もいたと思います。しかし、市長になる前に書いたブログやウワサ話まで持ち出して、批判、追及するのは間違っていると思います。議員というより、人間としての「品性」の問題だと思います。

「市長キャラバン」の内容を議会での予算成立前に、「広報よしかわ」に掲載した問題では、ミスを指摘しお詫びを何度をさせていました。ミスを認めお詫びをすると、『謝って済む問題ではない』、『予算の取下げを検討すべき』等、さらに要求はエスカレートしました。

以前、多重債務者のことを調べたことがあります。50万や100万円の借金でなぜ簡単に自殺をしてしまうのか、その原因を考えました。結論は、1か所からの借金でないからです。多重債務は数か所・数十ヶ所からの借り入れで、「自転車操業」状態になります。毎日そのやり繰りに追われ、心が休まりません。滞った時は、一斉に取り立てが始まり責められます。普通の人は、そのストレスに耐えられません。住宅ローンで1千万・2千万円借りていたとしても、1社・2社からの借り入れであれば、返済は計画的であり、見通しが立てられます。平穏に仕事をし、落ち着いた生活を送ることが出来ます。多重債務者は、その逆の環境に身を置くことになります。

仕事でも勉強やスポーツでも「ダメだ!」と繰り返し言い、責め続けるとその人は本当にダメになります。それも一人ではなく何人にも言われると、心と身体が持ちません。気持ち(心)が勝っても、身体が負けてしまいます。小さなことを大きな問題として責め立てるのは、反社会的勢力や悪質クレーマーの手口で、大体このやり方です。

中原市長は全ての質問に、一つづつ丁寧に答えていました。正面から誠実に答えていると感じました。訳の分からない質問に対しても、質問者の意図を考え、質問内容まで分かるような答弁をしていました。相当、疲れたと思います。でも、この程度で負けるようでは市長としての力量がないということです。中原さんは、柔ではないので負けないと思います。まっとうではない質問については、ウナギのようにするりと抜けても良いと思います。

議会の伝統的手法。気に入らない相手には、小さなことであってもミスを追及し、問題を拡大し、お詫びをさせ責任を取らせる。仲間が重大なミスを犯しても、大した問題ではないと取り上げない。どこの議会にも手練手管に長けた人はいます。品位のない方もいます。
議会は数で決まります。白いものを黒、黒も白となる世界です。議長や委員長は本来、中立的な立場で審議を進めなければいけませんが、ここ数年、党利党略で進められることが多いように思います。

6月議会は、傍聴者がいっぱいでしたので、私の発言に対する訂正・お詫びを求められることはありませんでした。よっぽどのことがない限り、私が執行や他の議員に挑発的な発言をすることはありません。相手の真意を引き出すため、意図的に発言することはあります。普段は、取るに足らないことを問題にされることが多いと感じます。
驚いたことに、自民議員の質問に対し、『通告外です』という議長の発言が数回ありました。今まで我々に乱発してきた言葉ですが、自民議員に発したのは、初めて目にする光景でした。やはり、「市民の目」の力の大きさ、大切さをを改めて実感しました。市長が代わり、市民の意識も変化してきている様に感じます。「議会の常識は世間の非常識」、「井の中の蛙」と言われぬよう、議会も少しは頑張らないと市民から見放されてしまいます。

フロリデーションの問題や医師会との関係等では、外からの圧力・影響を感じます。また、消防の「救命士殴打事件」については相変わらずナーバスな取扱いです。何としても、吉川市議会では一言も触れられないようにしています。会派や議員一人一人のスタンスが見えてきました。良いことです。

御多用の中、連日傍聴にいらしていただいた皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。

「議会」はますます、オモシロくなってくると思います。