吉川松伏消防議会定例会

7月8日(水)午前9時30分より、吉川松伏消防組合議会定例会が消防本部で開催されました。途中3回も「動議」が出され、一般質問が2回も中断する異例の展開となり、午後1時10分に閉会しました。傍聴者は20名余で吉川市議会からは、中嶋(自民)、互・小野(公明)、齋藤・稲葉(市民)そして稲垣(市民改革)が傍聴しました。

9時30分より一般質問が始まり、3名が質問に立ちました。質問内容は、中村(自民)『消防の広域化について』、小林(共産)『自治会集会所へのAED設置について』、伊藤(市民改革)『消防救命士暴行事件。事実の再確認とけじめの必要性について』でした。

伊藤議員の、『消防救命士暴行事件。事実の再確認とけじめの必要性について』の質問に関連して、3回の「動議」が出されました。最初に、加藤議員(自民)より、『質問と回答にかい離があり、誤りの訂正を求める。』として、事実確認のため休憩となりました。10時45分から別室で協議(議長と加藤議員で話し合いをした様子)。11時15分に再開。

議長より、質問の中での発言について、①『告訴の取下げ』と言っているが正しくは『被害届』では。また、②消防長について『更迭すべき』との発言があったが、議員が人事権について言及することは不適切では。との指摘をし、これらを訂正することについての見解を伊藤議員に求めた。

これに対し伊藤議員は、「組織として、被害届を出したことは告訴と同じ意味だと考える。」「長い間マスコミに身を置いてきたが、被害届の取下げは、告訴の取下げと考えるのが一般的」「暴力行為は犯罪である。事件後、吉川警察の次長とも話し合い確認している」と主張。『更迭発言』は、市民に事件をしっかりと認識してもらうため、あえて『更迭』と表現した。『更迭』がまずければ、『人事刷新』と言いたい。と述べ、再び質問に入った。

途中、中村議員(自民)より、「再質問の内容が質問書にそぐわない」と2回目の「動議」が出されましたが、議長はそのまま一般質問を続行させ、一般質問は12時10分に終了。

その後、管理者より議案、『職員の再任用』の提出があり可決。当日の日程が終了し議長が閉会を告げようとした12時15分、加藤議員(自民)が再び「動議」。なんだかよく分からない状況で休憩。議員全員が別室で協議。

いつ、再開されるのか、なにを話し合っているのか説明もなく55分間待たされ、1時10分に再開。議長より、『話し合いを持ったが、特段報告はない?』といった話(よく聞き取れなかったが、具体的な内容に触れない報告)があり、閉会となった。話し合いの内容も分かず、釈然としないまま閉会となりました。最後まで残っていた市民からは、『よく分からない動議で、通算で1時間半も待たされ本当に疲れた。よく分からない議員・議会』との声が上がった。

後で伊藤議員に確認をしたところ、①『告訴』は『被害届』の取下げ ②『更迭発言』は、議員が人事権について言及することで不適切 ③替え玉説(加害者と示談者は同一人物なのか)の質問はウワサ話に基づくもの。以上3点について、『取り消し・訂正をすべきかどうか』を話し合った。意見が分かれたが最終的なまとめはなかった。とのことでした。吉川選出の議員(自民・公明・共産)は、これまでと同様、『取り消し・訂正をすべき』との発言だったと聞きました。

私が驚いたことは、議長の、『態度』と『見識』です。話し合いの中での議長発言の趣旨は、『議員の発言は重い。余程のことでない限り、他の議員の発言の取り消しや訂正を求めるべきではない。ここで何かを決める(発言の取消し・訂正)ことは出来ないが、議員全員の話を聞きたい。』と、一人一人に発言を求め、最後に伊藤議員に発言を求めたという。また、最後に、『私は、人事やプライバシーに踏み込むことは行き過ぎだと思う。それでも、議員の発言は重い。議員の発言は議事録にも残り、問題があればいろいろな場で追及、弾劾される。最終的にその責任は全て議員個人に帰する。』と話されたという。

聞いた話だけに基づくことですが、松伏町の議長はスゴイ人だと思った。議長としての立場・役割を理解しており、言論・表現に対する考え方、議員の責任について、自分の意見をもっている。吉川とは違うと感じた。行政も議会も、「井の中の蛙」ではだめだと改めて思う。

おかしな議会運営の一面はありましたが、議長がその都度判断し、質問者へも注意を促しながら議事を進めてきました。議案の審議が全て終わり、閉会直前の「動議」で、蒸し返すやり方は理解できません。

私には、『誰が何のために、前管理者へ被害届の取下げを働きかけたのか』、また、『替え玉説(本当の加害者は別にいる。加害者と示談者は同一人物ではないのでは)』の質問をさせないための、「動議」だったと感じました。真実が明らかにされて困る人たちの影と、その人たちを守ろうとしている議員達の、必死な姿を見るようでした。

『被害届』の取下げや『示談に至る経過』、『暴行事件の事実確認』、『情報公開と検証作業』等の質問に、3月議会と同じ答弁内容を繰り返す消防職員。そして『3月議会、6月議会で一定のケジメがついたと考える』、『消防長へは口頭注意をした』、『職員も気持ちを切り替え、職務を全うしたいとしている』と、答弁する中原市長らの苦悩が伝わってきました。

今の消防組織体制の中で、真相究明は難しいと思う。やはり、『誰が何のために、前管理者へ被害届の取下げを働きかけたのか』、『救命士への暴行を行った加害者を、なぜ警察が公務執行妨害で逮捕しなかったのか』を、別の方法で解明しなければ真相は闇の中のままで、やがて忘れられていくと思う。

前管理者(戸張前市長)は3月消防議会の後、マスコミの取材に対し、指示したことを否定するとともに消防本部へ酒井消防長を訪ね、『承服できない』、『当時の消防長へ指示した事実はない』と、申し入れた。3月議会での、『当時の管理者の指示』との公表が誤りであれば、名誉棄損にあたる重大事件ですがその後、前管理者は沈黙を守っています。

現消防長は、『二人の間(前管理者と前消防長)のことであり、(真実は)分からない』と言った。地域の実力者一族と元市長が関与した事件。職員は口をつぐむしかない。

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