雲取山

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5月12日(金)午後4時30分、雲取山荘へ到着。宿泊名簿に住所・氏名・電話番号を記入し、宿泊代金7,800円を支払うと、「記念バッチ」を手渡された。

「記念バッチ」は、緑の山々と青い空の図柄に、雲取山・標高年記念・Y2017×2017Mと記載されています。

台紙には、秩父多摩甲斐国立公園・日本百名山・雲取山荘と書かれていました。
今年、雲取山に来て山荘に泊まった人に、記念に差し上げていると聞きました。

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ブナ坂

収容人員200名ですが、金曜日でしたので60人位の宿泊者でした。一緒に行った友人と6畳位の部屋に二人でした。部屋の真ん中に「こたつ」があり、豆炭が入っていました。大部屋の雑魚寝でなくて、ホットしました。夕食は6時から。年間を通し、「ハンバーグ」がメイン料理だそうです。缶ビール(350ml)は500円。ごはんのお替りは自由でした。
翌13日(土)の予約は、240人。

「2017年・2017mの雲取山」という事もあってか、各地から来ていました。九州の博多から来たという、おばさん軍団(7~8人)、大阪のおばちゃん達、香港の二人連れ、主婦、サラリーマンそして定年退職したおじさん達。皆さん元気です。日本百名山の登頂を目指す方には、「2017年・2017mの雲取山」は、行くための理由づけにもなっているようです。

夜、ストーブを囲んでの「よもやま話」。雲取山をはじめいろいろな山について。雲取山荘の維持管理。トイレの仕組み。皇太子殿下をはじめとする皇室の方々がいらした時の事。その時のお付きや警視庁・埼玉県警・山梨県警の警備体制。他の山小屋のことや昔の山小屋の様子そして仕事や家族のこと等、話は尽きません。

オモシロイ話も沢山あります(ここでは言えません)が、特に山に関する情報は貴重だと思いました。最近起きた事故の状況、下山のルートと注意事項は安全に山を歩くための重要情報です。

下山は当初、雲取山荘から山頂下のまき道を通り、小雲取山・七ツ石山・鷹ノ巣山・六ツ石山を経て青梅線奥多摩駅へ出るコースでした。しかし、13日(土)が、「朝から雨」の予報でしたので、早く下山するため、秩父の三峰神社へ出て秩父鉄道に乗り西武秩父から帰ることにしていました。小屋の方に聞いてみると、『来た道を戻るのが最も安全』だと言います。再度、ルート変更しました。

山頂下のまき道は崩れているので、来た道の雲取山山頂へ再度登り、小雲取山・ヨモギの頭・ブナ坂・堂所・所畑を経て鴨沢のバス停。小河内ダム(奥多摩湖)を右に見て奥多摩駅へ戻ることにしました。

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雲取山山頂

5月13日(土)午前4時、自動的に部屋の電球が点き宿泊者がバタバタと動き始めました。5時から朝食。ごはん・みそ汁・生たまごと海苔、焼き魚(鮭)。午前6時15分、気温0℃、雨の中を出発。山頂下にある避難小屋(東京都)の所で、雲取山に100回以上登っている方と一緒になり3人で下山しました。途中、大学生のグループ(7~80人)とすれ違いました。新入生歓迎の登山で、山頂付近にテントを張り「飯盒炊さん」するようです。鴨沢の登山口には、11時00分到着しました。

下りの所要時間4時間45分。登りは7時間かかりました。9時30分登山道を出発し、4時30分到着でした。初めて行った東京都最高峰の雲取山2017mは、歩きがいのある山でした。

「山小屋の収容人数はあってないようなもの。」というのは分かります。避難してきた人を入れない訳にはいきません。雲取山荘も、400人以上泊めたこともあるそうです。
外にある「トイレ」は東京都が4億円(3億?)掛けて作り、小屋が管理しています。小屋の中の、「冬用トイレ」は4千万円掛かったそうです。

トマトやピーマン等の野菜、生鮮品は下から背負って上げるが、ほとんどの物は「ヘリコプター」で運ぶそうです。
年に4回、ドラム缶に入った燃料・米・食材(冷凍の調理済み食品だと思います)・ビール等を「ヘリコプター」で半日間、ピストン輸送。届いた荷物を下ろすと、缶・ビン等の資源ごみや生ごみ等の廃棄物を積み下に降ろす。この繰り返しの作業が大変だと言っておりました。1回250万円かかるので、年間1000万円にもなります。山小屋の経営も大変なようです。Ⅰ本500円の缶ビールも仕方ないと思いました。

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雲取山荘は通年営業ですが、標高の高いアルプス等の小屋は冬は閉鎖するので、夏の期間にしっかり稼ぐ必要があるようで、そちらもまた大変なようです。

雲取山へ何度も来ている方の話では、本当に『星がきれい』で、東京の夜景は勿論、冬には横浜のラウンドマークや大観覧車、そして海が見えるそうです。夏にはテント泊で、星を見に来る人も結構いるとも。登ってきた時、50人平ヘリポートの付近にテントを張っている方々がおりました。

また、『冬には雪が積もりますが、夏とそれ程変わらない時間で登ることが出来る。ただ、凍っている時は危ないので注意!』と言っていました。今まで、冬季に雪のある山に登ることなど考えたこともありませんでしたが、厳寒期、雲取山から東京の夜景や横浜の海を見たいと思いました。挑戦する価値がありそうです。

山小屋に一泊し、朝から雨の中を歩いたことは初めての体験でした。山頂で2頭のシカにも会いました。山々を遠くに眺め、新緑がまぶしい中を歩きました。「山桜」も満開でした。

そんな中、よい出会いがありました。初めてお会いした方々ですが、裃(かみしも)を脱ぎ、自然な会話が出来ました。「山での楽しみ」の一つだと思います。

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山桜が満開です

*更新が遅れました。お許しください。