3度目の「緊急事態宣言」

3度目の「緊急事態宣言」が、明日4月25日から5月11日までの17日間、東京・大阪・京都・兵庫の4都府県に出されます。

ゴールデンウイークを前に再び、酒類を提供する飲食店やカラオケ、映画館、大型商業施設、テーマパークなどに休業・時短要請が行われます。また、スポーツイベントは原則無観客となります。

ゴールデンウイーク中の人の流れを抑えることで、感染拡大を防ぐ目論見です。

大阪では、まん延防止等重点措置で感染拡大を防げず、新規感染者が1日1,000人を超え、医療崩壊にあります。東京でも同様の心配が目の前まで来ています。

昨日4月23日午後7時57分から、3度目の「緊急事態宣言」について、首相会見がNHKテレビで中継されました。
今回の「緊急事態宣言」の説明の後、記者からの厳しい質問を受けていました。
これまで首相は、緊急事態宣言やまん延防止措置を出す度に「決意」を示し、国民や事業者へ「協力」を要請しました。しかし目標を実現出来ず「お詫び」を繰り返すばかりでした。

誰が首相でも、新型コロナウイルス感染症の「感染拡大防止」や「収束」を図ることは簡単ではないと思います。
現状では、新規感染者を抑え「医療体制」を守りながら「ワクチン接種」を進めて行くしかないのでは、と考えます。しかし、今までのやり方ではダメだと思います。

今、必要なことは「ロードマップ」を示すことです。「収束」へ向け、いつまでに何を行っていくのかを行程表で明確にすることです。

緊急事態宣言やまん延防止等重点措置については、目標とする新規感染者数と医療体制確保の具体的数値を示し、実施すべきです。解除にあたっては、現状と今後の見通しを検証するとともに、達成度(結果の数値)を明らかにしていただきたい。

目標とする数値を明らかにせず、ただ「協力してください、お願いします。状況が変わらないので、1か月延期します」では、首相の決意が伝わらず、国民の理解と安心感は得られないと思います。

何度も「宣言」と「お詫び」を繰り返すのは、いい加減にしてほしいと思います。


日米首脳共同声明

昨日、菅首相とバイデン大統領との会談後の「共同声明」が出されました。

国際秩序に合致しない中国の行動や香港や新疆ウイグル自治区での人権状況に対する懸念、ミャンマー国軍による市民弾圧への非難、北朝鮮の非核化、世界の気候変動対策、人工知能(AI)、半導体そして台湾海峡の平和と安定など幅広い問題ついて話し合われた後の声明です。

3月に行った日米2プラス2での声明や、これまで話し合われてきたことの確認がほとんどですが、日米首脳の共同声明に「台湾」が明記されたことと、中国を名指しして、不法な海洋権益に関する主張及び活動への反対表明を行ったことには驚きました。

共同声明では「日米両国は台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」また、「自由で開かれたインド太平洋」を推進。「ルールに基づく国際秩序に合致しない中国の行動について懸念を共有」と記されています。

在米中国大使館は早速、「強い不満と断固反対」を、在日中国大使館も「台湾、新疆ウイグル自治区などの問題は中国内政であり干渉は許さない。日米が何を言っても釣魚島(尖閣諸島)が中国に属する客観的事実は変えられない」と表明。

共同声明で言っていることは、ほとんどが世界の共通認識であり、近年の中国の立ち居振る舞いから見ても当然の事だと考えられます。しかし、特に台湾問題は「台湾は中国の一部」「一つの中国」と考えている中国にとって、許しがたい内容だと受け止め、対抗措置に出ると思います。

台湾海峡の問題に日本が踏み込んだことは、今後の日中と日米関係に大きな影響があると思います。政治・経済・軍事関係の中で具体的問題が発生した時、日本が正しい判断・対応を行うことが出来るのか心配です。

最悪は「台湾有事」ですが、「尖閣」もあります。中国との取引をしている日本企業や進出企業に重大な問題が起こることも考えられます。

日本が「立ち位置」をはっきりさせ、主張することは必ずしも悪いことだとは思いません。しかし、「何について、どこまでするのか」は熟慮が必要です。

したたかなのは中国だけではありません。アメリカも当然、自国の利益を考えて行動しています。

菅首相はどこまで考えて、「共同声明」を出されたのでしょうか。


よい季節になりました

この間まで満開だった桜が「葉桜」に代わり、今度は白やピンクの「ハナミズキ」が市内のあちらこちらで見られます。通学路に咲く「やまぶき」の黄色い花は懐かしく感じます。生まれ育った実家の庭にもありました。

緑道の花壇の花も、競うように一斉に咲き誇っています。水仙・チューリップ・ビオラ・ノースポールそして紫蘭など、陽の光を浴び輝いています。ビオラは植えた時の10倍ぐらいになり、見事です。

紫陽花やもみじの新緑の葉もきれいです。

残念なのは、たまに花が消えるのと犬を花壇に入れて排尿・排便させる飼い主がいることです。

排便後、後ろ足で花を蹴散らすのか? 花は折れ、しおれて枯れます。いつも無残に飛び散った花と糞、そして足跡が残されています。

今日は、先日植えた花が無くなっていました。

きれいに咲いている花を掘り起こしたり、愛する犬の後始末を他人に任せ、何食わぬ顔で散歩をさせている人の気持ちは分かりません。



嫌なニュース

「嫌なニュース」というより「つらいニュース」が続いています。

中国の立ち居振る舞いは、傲慢、不遜を超えた「狂気」のように思います。
新彊ウイグル自治区での人権侵害です。

移動の自由や信教の自由を制限したり、恣意的に強制収容所へ収容し拷問・避妊・中絶・強制労働などの人権侵害が行われているといいます。アメリカのバイデン政権は「ジェノサイド(集団殺害)」だと非難しています。

これに対し、中国は「客観的事実のないままこの罪名を持ち出し、政治的に汚名を着せることは許されない」「世紀の大うそ」だとしています。

ウイグル自治区での「中国化政策」は、数年前から報道されており、香港の選挙制度改革にも通じているように思います。中国指導部は「愛国者による香港統治」を掲げ、裁判で民主派を排除し、民意の反映より中国指導の意向に従う体制づくりを強引に進めています。
おなじことをウイグル自治区でも行っていると思います。

権力者による「狂気」はミャンマーでも行われています。クーデターで権力を握った国軍と警察による市民への弾圧はエスカレートしています。
連日、平和的に行われている抗議デモに対し、治安部隊による武力弾圧で多くの死傷者が出ています。隠し撮りしたと思われる残虐な行為の映像が流れ、現地メディアの報道では死者だけでも543人と伝えられています。

国民を守るための軍が、市民へ銃を向け幼い子どもの命さえ奪う現実に、なんとも言えぬ思いです。

ミス・グランド・インターナショナル(ミスコンテスト)にミャンマー代表として出場した大学生が、「どうかミャンマーを助けてください」「母国ミャンマーでは、私がこのステージに立っている間にも多くの人が亡くなってる」「市民の力では国軍は止められない。国際社会や国連の支援が今すぐ必要です。直ちに行動を起こしてほしい」と訴えました。

茂木外相は軍の行動に対し「強く非難する」と言いましたが、具体的な取り組みはされていません。

日本はミャンマーに対する最大の支援国です。国軍とのパイプを生かし、解決のいとぐちをつかむための話し合いをすべきではないでしょうか。特使を派遣する等具体的な行動を起こすべきです。

国軍がクーデターを起こしたのは、軍の権益を守るためだと言われています。選挙でアウンサンスーチー政権が勝利しさらなる民主化政策で、軍が持っている権益が失われるとの恐れからです。国民の幸福より自分たちの特権と利権を守ることを優先しました。

中国で利権を握っているのは、共産党・軍・地方行政区の幹部そして大企業の経営幹部です。彼らの子弟の多くは、アメリカやイギリスに留学し大学(大学院)卒業後、欧米で仕事に就いています。

親たちは利権で得た資産を海外に移し、いつ中国で何が起きてもまっ先に脱出できる体制を整えていると聞きます。

長い歴史の中で、王朝・国・政権は永遠に続くものではないと理解しているからかも知れません。
世界中の都市にいる「華僑」はその「さきがけ」かも。

*追記(4月5日): 昨夜午後9時からNHKテレビで、NHKスペシャル「衝撃のミャンマールポ デジタル駆使した抵抗 日本・世界で連帯が! 徹底解析・弾圧の実態」が放映されました。

内容はタイトル通りのものでした。国軍や警察による残虐な行為の中、逃げまどいながら抗議活動を繰り返し続けている若者たちの姿がありました。デモに行けば、実弾で頭や背中を撃たれる危険を承知しての参加です。3本の指を立てシュプレヒコール上げて歩いています。手の「こう」には、血液型と連絡先が書いてありました。そこに、何としても「軍政を終わらせる」という覚悟が見えます。10代、20代の若者が中心です。

最近、反政府武装組織に加わる若者も出てきているといいます。これが広がると泥沼化し、さらに大きな混乱を招き、市民への被害が拡大します。そうなる前に、国際社会が声を上げ行動をすべきです。そのために一個人として何ができるのか、何をすべきかを考え、行動していきたいと思います。