6月議会の傍聴に来られた市民の方からお手紙を頂きました。『フロリデーション』に対する基本的考え方や、フッ素の危険性・怖さを理解する上で役立つ情報だと思います。ご本人の了解を頂きましたので、手紙の主要な部分を紹介いたします。 尚、同様のお手紙を中原市長へもお届けしたとのことです。
*『フロリデーション』:一般的には水道水フロリデーションのことを指し、虫歯を予防するために水道水にフッ化物を添加することを言います。
【手紙】
前略 ・・・・・・・・・・ 私は、パソコンやスマホに使われる半導体ICや水晶振動子を製造する電子部品の会社に40年近く勤めていました。 IC(水晶振動子も)製造には、水とフッ素を反応させると生じるフッ酸(HF)を大量に使います。HFは気体と液体がありますが、IC製造に使うのは液体です。
このフッ酸はとても恐い物質です。皮膚に触れると数時間後には骨にまで達し、大変な痛みを生じます。ICの製造時、作業者は無塵着の他にマスク、眼鏡、帽子、前掛け、ゴム手袋をつけ、皮膚を露出しないようにします。
1年半ほど前に新潟県で、会社勤務の女性が、同僚の男性社員から靴の中にフッ酸をしみこまされて、知らずに履いたため、足の指が壊疽になり、片足の指4本を切断しなければならなかった事件がありました。
フロリデーションでは、フッ素化合物のフッ化ナトリウム(NaF)を使います。このNaFとHFは、国際的なGHS(「化学品の分類及び表示に関する調和システム」)によると、その経口急性毒性の区分は共に3であり、国内の「毒物及び劇物取締法」による分類では共に劇物に相当します。
NaF摂取による致死量は諸説ありますが、体重10kgの幼児の致死量は、0.11g、0.4g、1.7g、1.8gとされています。1.8gはラットの試験結果からの推定値ですが、その他の値は海外のフッ素事故時の実際の値や国内、海外の学者のとなえる値です。このような少量で(成人ではスプーン1杯、約9g)死亡事故が発生します。現にアメリカのアラスカ州では1992年に、水道水中のフッ素濃度を管理する装置が故障し、高濃度のフッ素が水道水中に漏れ、1人死亡、約300人に健康障害が起こりました。
私が「子どもの歯と健康を考える会」の活動に参加したのは、このように恐い物質であるフッ素化合物を水道水中に入れるなどということは、とても信じられないと思ったからです。(資料1参照) フッ化ナトリウム(NaF)の性質を知るために、薬品会社が発行しているNaFのSDS(安全データシート)を同封しました(注 SDSはネットで“SDS フッ化ナトリウム”と入力すると、複数社の発行したSDSが見られます)。
SDSは化管法(PRTR法)によって、指定化学物質を他の事業者に販売する時、その物質の性質と取扱について提供しなければならないというものです。表記方法も国際的な取り決めであるGHSの規則に則り、又独自にPRTR法で決めた応急措置、保護措置等を追記するようにして項目が定められています。 SDSによれば、NaFは腎臓、肝臓、心臓、呼吸器、神経系、骨、歯、皮膚、眼、生殖能、胎児へ重大な影響を与えると書かれています。GHSの規則において、区分3の場合ドクロマークを、SDSにも、又販売する容器にもつけなければなりません。実際、NaFのSDSには、ドクロマークが書かれています。又、NaFは、多くの法律により規制物質とか毒物として規定されています。例:毒物(船舶安全法、航空法)、規制物質(水道法、下水道法、貿易管理令)。
最近の調査では、イギリスのフロリデーション地域(バーミンガム地域)と水道水にフッ素を入れていない地域(マンチェスター地域)とでは、甲状腺機能低下症の罹患率は、前者の地域の方が後者の地域の2倍あるというレポートが発行されています。 又、九州大学の歯学部の先生と九州の歯科医の方の対談記事では、インプラント使用の人の13%の人がインプラント周囲炎にかかっている、その原因はフッ素入り歯磨を使用したことによる、フッ素と水とインプラントに含まれるチタンの反応によるものだと推定されています。
又、イスラエルでは2014年8月に、水道水フロリデーションを中止しました。イスラエル厚生労働大臣は「科学的根拠によると、フッ素は健康を害し、効果がなく、無駄遣い、子どもが摂取するフッ素の量を制限する自由を侵害する。」と言っています。2014年5月には、アメリカ・オレゴン州・ポートランド市で、住民投票により水道水フッソ化を拒否しました。(フッ素化反対:61%、賛成:39%)。このように、今迄実施している地域でも、中止している所が現れています。
フッ化物応用(フロリデーションを含む)を推奨する方達は、WHOが推奨しているのだからとよく言われます。しかし、WHOは次の様に述べています。 1) フロリデーション導入の必要条件に、「地域における虫歯のレベルが高いか中程度か又は虫歯の増 加傾向が明らかであること 2) 6才未満の子どものフッ素洗口を禁止 WHOがこのように言うのは、前述したようなフッ素の危険性を考慮しているからだと思います。
吉川市や全国で、虫歯のレベルは高くも中程度でもないですし、虫歯が増加傾向であるともいえません。しかし、吉川市では、保育園でもフッ素洗口をしています。県の条例や吉川市の条例では「フッ化物の応用」を推奨していますが、無条件に進めていくことに、私は疑問を感じます。少なくとも、保育園でのフッ素洗口は、止めるのがよいのではないでしょうか。 ・・・・・・・・ 草々
(資料1) フロリデーションに使用されるフッ化ナトリウム(NaF)
1.毒物と劇物の分類
*表はクリックして拡大してください
2.毒物と劇物の定義(“毒物及び劇物取締法”による) 毒物: 判定基準を大人で換算すると、例えば誤飲した場合の致死量が2g 程度以下のもの。 GHS における急性毒性区分が1又は2に相当。 劇物: 判定基準を大人で換算すると、例えば誤飲した場合の致死量が2~20g 程度のもの。 あるいは刺激性が著しく大きいもの。GHS における急性毒性区分が3 に相当。
3.GHS による分類 GHS:「化学品の分類及び表示に関する調和システム」 GHS とは化学品の危険性(危険有害性)に関する国際的な危険有害性分類基準と表示方法に関 するシステム。GHS の目的は、物質及び混合物に固有な危険有害性を特定し、そうした危険有 害性に関する情報を伝えること。
*クリックして拡大
4.フッ化ナトリウムの性質(森田化学工業(株)発行 SDS「安全データシート」より) LD50 : ラット 経口 180mg/kg (体重10kg の幼児にあてはめると、1.8g が致死量になります。 致死量に関しては、諸説あります。0.11g、0.4g、1.7g。) 急性毒性: GHS 分類 3。 (フッ酸(HF): モルモット 80mg/kg GHS 区分3。 大変危険と言われているフッ酸と同等な危険性があります。)
危険有害性情報 ・飲み込むと有毒 ・重篤な皮膚の薬傷、眼の損傷 ・遺伝性疾患のおそれの疑い ・生殖能または胎児への悪影響のおそれの疑い ・臓器(神経系、肝臓、心臓、腎臓)の障害 ・長期又は反復ばく露による臓器(骨、歯、呼吸器、腎臓、神経系)の障害 ・長期又は反復ばく露による臓器(心臓、骨、歯)の障害の恐れ
*クリックして拡大
6月議会での一般質問(いながき)
一般質問の中で、自民・みらいの議員が、『フロリデーションとフッ化物応用』というテーマで質問をしました。議員になって8年目ですが、今までフロリデーションについて、賛成の立場での質問を聞いた記憶がありません(10年以上前に、自民と公明の議員が賛成の立場で質問をされたそうです)。
これまで私は反対の立場でこの5年間、質問を繰り返してきましたので非常に新鮮でした。『フロリデーション』の推進活動をなぜ実施するのか?、安全・有効性はあるのか?等の質問に対し、執行側が正面から答えることはありませんでした。 推進活動は、『市民に正しい理解・知識を深めてもらうため』、『フロリデーションを実施しようと言う訳ではない。安全性・有効性の周知を図っている』。そして、安全性・有効性・必要性については、『国連のWHOが推奨しているおり、世界中で実施されている』、『歯科医師会や学会が認めているから』、『実施する場合は、厚労省も技術支援をする』など等。
フッ素の安全性や有効性についはは、研究者の間でも意見が分かれ世界中で論争が続いています。そうした中、吉川市としてはどのような目的で、『フロリデーション』をやるのか、必要性があり市民が望んでいることなのか、有効な成果があるのかをしっかりと確認・検証もせず、『はじめに実施ありき』で進めていることに、違和感と言うより恐ろしさを感じました。
当然なことですが、市が行う事業は全て、「必要性があり、一定の効果(成果)」が求められます。『フロリデーション』にはそれがありません。必要性が極めて低い事業です。 全国的にも虫歯は減り続けています。吉川市の12歳の虫歯の本数は、数年前から0.5本を切っています。そして、フッ素症の危険は極めて大きく、安全性と有効性に疑問があります。
一人の人が生活のために使う水の量は、一日、200リットルから300リットルです。このうち飲料・調理に使われるのは、1パーセント以下です。99%以上は下水に流され環境を汚染します。フッ素は、「水性環境有害性」があるとされています。
何より問題なのは、「選択の余地」がなくなるということです。飲みたくない水を飲まされることになります。個人の「選択権」、「基本的人権」を侵すものだと思います。推進派の、『市議会で決定されれば、個人の好みや個人の意見よりも公共の福祉が優先される』との主張には、同意できません。『飲みたくない、いやだ!』と言っている人たちに無理やり押し付けるのは、とんでもない思い上がりではないでしょうか。
今の市議会で、『フロリデーション』や『フッ素』について正しく理解している議員はほとんどいないと思います。また、推進派、反対派の主張を理解した上で、『自分としてはこう考える・自分の立ち位置』を明確に言える議員は少ないと思います。まっとうな議論が出来ない中、数だけで決められたことを、『公共の福祉が優先される』とされたら、たまったものではありません。
水道法第1条は、「水道事業を保護育成することによって、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もって公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与することを目的とする」とあります。水道事業の本質は、「清浄にして豊富低廉な水の供給」です。
吉川の水道は、県の浄水場から送られてくる「県水」と市内4か所の井戸から取水した「地下水」のブレンドです。割合は、県水86%に対し地下水は14%です。県水は5年前に稼働した新三郷浄水場の高度浄水処理施設から送られてきます。井戸は地下250(350?)メートルの深井戸から汲み上げているそうです。途中に粘土層があり、そのお陰でとてもきれいな水だと伺いました。ちなみに、水道水1リットルの値段は17銭。2リットルのペットボトル1本が34銭、3本で約1円です(以前、聞いた話ですので少し変わっているかもしれません)。
だから、命の源としての安全な水を安心して使うことが出来るのです。吉川市の 水道水は、炊事・洗濯・洗面・お風呂・トイレ・植木の水等、私たち生活のために供給されています。水道水は虫歯予防のためにあるものではありません。毒物・劇物をいくら薄めたからといって、水道に入れる必要はありません。
中原市長は、『水道水フロリデーションの啓発活動は中止。今後は、予算化せず市職員の派遣も一切行わない』と明言しましたが、フロリデーション推進派の方々は、全くあきらめていません。フロリデーションの「必要性・安全性・有効性」を国連や国、学会等の権威を使い、訴え続けると思います。特に、市議会議員や市職員への働きかけは止むことはないでしょう。それはあたかも、「フッ素教」と言う宗教の信者のようで、異なる意見を聞こうともせず、全て自分たちの主張が正しいと信じ、行動します。これからも亡霊のように現れ、信ずる世界を創るため何ものも恐れず、懲りることなく啓発・推進活動を進めると思います。6月議会での一般質問は、その意思表示であり前哨戦だったと思います。
ここ数年全国各地で、歯科口腔保健推進法や県条例、市条例を使って、「フッ化物応用」の取り組みが進められています。今、急速に広がりを見せている保育園・小中学校等での「集団フッ素洗口」は、『フロリデーション』を実施するための第一ステップだと思います。私は、集団での「フッ素洗口」についても、実施すべきではないと考えます。
吉川市の、『水道水フロリデーションの啓発活動中止決定』に、ぬか喜びすることなく、これからも、「フッ化物応用」の危険性を推進派の活動と同様、粘り強く訴え続けてまいります。
いながき茂行の一般質問は、①マルサン問題と②予防接種問題の解決を!
*「集団フッ素洗口」の問題点については、日本弁護士連合会より、「集団フッ素洗口・塗布の中止を求める意見書」が2011年1月に出されています(日弁連のHP参照)。