明日は投票日

朝夕の冷え込みに、いよいよ「冬の訪れ」を感じるこの頃です。

ベランダから見る「富士山」も、すっかり雪化粧をしています。遠目には昨年より雪の量が多いように見えます。

今、「衆議院議員選挙」の投票を呼び掛ける放送が防災無線でされました。
先日、所用で役所へ行った時に「期日前投票」も済ませてきましたので、少し楽な気分です

しかし、今回の選挙では開票の立会人を頼まれました。その関係で、今日18時から行われる「開票立会人打合せ会」への出席、そして明日は開票立会をしなければなりません。

初めての経験です。午後8時半前には集合し、投票された用紙の集計結果を確認する作業を行う予定です。担当課からは、順調に開票・確認作業が進めば深夜12時過ぎには終わると思うが、何か トラブルがあれば長引くと聞いています。何もないことを祈ります。

今日の「読売新聞」朝刊1面、【拝啓、有権者の皆さんへ】公約に厳しい目を 特別編集委員橋本 五郎さんの署名記事が掲載されています。

テーマは、「政権選択選挙」では「何を基準に選べはよいのか」です。その概要は、

●候補者や党首の器量を見抜くのも大切ですが、見極めるべきは実績と政策。岸田政権は発足したばかりなので、安倍・菅自公政権の治績をどう評価するのか。

●野党4党の政策合意の中身と協力の仕方。

●バラマキ色の強い各党「選挙公約」の実現可能性について。

●自分の中で、政策の優先順位をつけ、各党の政策を比べより賛成できる党に丸を付け、丸の多い党を選ぶ。

●ベストの選択は無理。「よりまし」「より悪くない」ぐらいの醒めた目で見る。

長年の政治記者生活で私なりに身に着けた政治観です。としています。

多くの人が同様の視点で今回の選挙を見ていると思いますが、迷われている方々への良いアドバイスだと感じました。

問われていること

19日に始まった衆議院議員選挙5日目。各政党の公約も出揃い、候補者達が政策・主張を訴えて走り回っています。

この中で、今選挙の意味や目的が明らかになってきていると思います。

「菅総理では選挙に負ける」と危機感を強めた自民党は、新たな顔を「岸田内閣」に変え日程を早める等、野党の気勢を制した戦いを進めました。

リングに上がる直前に相手が変わり、予定していた国会での議論も代表質問だけで終わる等、野党側もオロオロして、作戦変更を余儀なくされているように見えます。
第1ラウンドは自民党の作戦勝ちだと思います。

今回の選挙は国民として、岸田内閣を信任するのかと同時に安倍・菅政権の10年間の政権運営を検証・確認し評価する選挙です。また、目の前の課題であるコロナ感染症と疲弊した経済の対策、そしてこれからの日本をどのように成長させて行くのかが問われている選挙です。

「安倍一強」と言われる中、官僚も議員も官邸に忖度し、言うべきことを言わず、やるべきことをやってこなかったと感じます。
「権腐10年」。残念なことに、専制国家だけでなく民主国家でも権力は腐敗します。
もり・かけ、桜を見る会、元法相の選挙での買収だけでなく不祥事が続き、国会ではまともな答弁もされず官僚による公文書改ざんまで行われました。
国会軽視は国民軽視。国民をバカにした自公政権の「驕り」だと思います。

また「アベノミックス」は3本の矢で景気の好循環を実現し、雇用や所得の上昇につなげその実感を全国津々浦々まで届ける。成長戦略で民間投資を喚起するはずでした。
結果は、先進国の中で最も成長していない国、30年間賃金の上がらない国となり「格差社会」はさらに広がりました。政治への不信を拡大した10年でした。

緊張感のない政治は国民にとって不幸なことです。
権力の腐敗を防ぎ、国民・国家のための政治を進めるためには、政権の「受け皿」が必要です。
安心して任せることの出来る「政党」と即戦力となる「議員」の存在がなければそれは出来ません。そうした体制を市民・国民で作ることで、私たちの幸せ実現に一歩近づくことが出来ると考えます。今回の選挙の最大の意味はそのことにあり、今、第2ラウンドでその戦いをしていると思います。

市民自らが行動し発言しなければ、この国は良くならないと思います。これまでの「お任せ民主主義」と別れる時ではないでしょうか。最終ラウンドは10月31日(日)の投開票で、結果が出ます。




暑さ寒さも

「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、秋のお彼岸を過ぎても残暑が衰える気配がなく、10月に入ってからも夏日が続いていました。

その影響かどうか分かりませんが、キンモクセイが2度咲きしました。

1回目は9月中頃でしたが10月はじめ、再び花をつけました。通学路や緑道では、あの特有の香りを漂わせ、咲き終わった花は落ちてゴールドカーペットになっていました。

昨日、久しぶりに「日の入り」を見ました。緑道のまっすぐ先、「桜通り」を走る車の後ろに日が沈むところでした。


夕日を見ていると心が落ち着きます。沈む一瞬、黄色い光を放し、吸い込まれていくような気がします。夜には、澄んだ空気の中で月も星も明るく輝いていました。

やはり、秋は少しずつ近づいているように感じます。

「所信表明演説」

10月8日(金)、岸田首相は衆参両院の本会議で就任後初めての「所信表明演説」を行いました。

全文が昨日(9日)の朝刊に掲載されましたので、読んでみました。
はじめにの中で、喫緊の最優先課題を新型コロナウイルス対応と影響を受けている方々への経済対策の策定、その上で新しい資本主義の実現を目指すとしています。
そして政策を、1新型コロナ対応 2新しい資本主義の実現 3国民を守り抜く、外交・安全保障の3つに分け、政策の柱や重点目標、課題等への取組みを述べています。基本的には自民党総裁選挙での訴えと同じ内容ですが、具体的にはこれからということです。

印象に残ったのは、はじめにの中で「私が書きためてきたノートには、国民の切実な声があふれています」で、一人暮らしの方のコロナ感染への不安。テレワークで激減したクリーニング店の厳しい事業継続。里帰りできず、1人で出産。誰とも会うことが出来す゛孤独で不安との声を取り上げたことです。

目は将来を見つめ、常に現場の声を聴くことはトップとして大切な姿勢だと思います。

政策では、
●新型コロナ対応は当然の内容だと思いますが、安倍、菅政権の失敗をしっかりと検証し、最悪の事態も想定した第6波への効果的備えを行って頂きたい。

●新しい資本主義の実現では、「成長と分配の好循環」「分配なくして次の成長なし」との考え方です。中間層の拡大、カーボンニュートラル、科学技術立国の実現等多角的な視点で捉えています。

これらは政府と産学一体となって進めることだと思います。利益を貯めこむだけの企業では成長できません。また、全てをアメリカ的グローバルスタンダードに合わせるのではなく、分配・投資も日本的スタンダードが必要だと考えます。

●国民を守り抜く、外交・安全保障では、最重要課題を致被害者の帰国実現。核兵器のない世界を目指し、唯一の戦争被爆国としての責任を果たす。ロシアとの領土問題の解決をあげていますが、よく、言い切ったと思います。

これまでの歴代内閣も重要課題として挙げてきた内容ですが、実際には全くといってよいほど進んでこなかったことばかりです。一歩進められれば、歴史に残る内閣になります。
難しいことは分かりますが、半歩でも進めて解決への糸口をつかんでほしいと思います。
いずれにしても、これからです。第100代総理 岸田文雄首相には自戒でもある言葉を贈ります。

『為さざるなり 能わざるに非ざるなり』
*出来ないのではなく、しようとしないのである

花盗人(はなぬすびと)

「花どろぼうに罪はない」と言いますが、以前から花が消える度に「そうかなぁー」と思っていました。

一日の朝、私の住むマンションの間を通っている緑道に植えた花が消えていました。同じ場所で4回目です。夏に植えた花が消え、代わりの花もすぐに無くなり、そして9月初めにはふた回り程大きくなって見事に咲いていた花が持ち去られました。

パソコンで「花盗人(はなぬすびと)」と検索すると、狂言の曲目にありました。物語りは、桜の枝を盗み折ったとして捕らえられ、桜の幹に縛りつけられた男が「この春は花の下にて縄つきぬ烏帽子桜と人やいうらん」という歌をよんで許される。というものです。

風雅さに心を動かされた屋敷の主人は、男を許し酒をふるまい謡や舞の宴となり、二人で桜を愛でて盗人に桜の枝を与えたそうです。

納得しました。「余りの美しさに一枝持ちかえる」という、人としての自然な感情からの行動に対し罪はない、としたものです。根から掘り起こして持ち去るのとは違うと思います。

高額な花ではありませんが、お店で選び植えた花です。肥料を入れ、時々水やりをし、やっと根づいた花です。何よりも通る人達が美しい花にホッとし、愛でているものです。

時々家で「この間植えた花がまた無くなった」というと、立て札で注意した方が良いのでは、「お花を持って行かないでください」「見ています!」「大変なことになります」等の言葉はどうかと言われます。しまいには、「植えなければいい。嫌な思いをしなくて済む」とも。

この3年間。上手く育たず、植え替え、補植を繰り返してきました。犬にも花を蹴散らされました。枯れた花を抜き、持ち去られた後に何度も植えてきました。

「がっかり」することもありますが、マンションの住民やご近所の皆さんが助けてくれます。「これを植えてみたら」といろいろな草花を自宅や畑から持って来られます。有難いことです。

植え替えや水やりをしている時、犬の散歩や買い物などで緑道を利用している方に「お疲れ様」と声を掛けて頂くこともあります。元気が出ます。

今年に入り 、昔とは違う「花盗人(はなぬすびと)」が多くなった思います。長引くコロナ禍でストレスも増え、職場や家庭での居場所や役割を失った人なのか、認知症の方なのか、それとも世の中の全てが面白くない人なのか分かりません。

もし、花を持ち去る人に出会ったら聞いてみたいと思います。

「そのお花をどうされますか。お花があると幸せですか。何かお困りごとはありませんか」と。