お正月に

元旦の夕方4時過ぎ、テレビ放送が一斉に石川県能登地方を震源とした地震関連ニュースに切り変わりました。翌2日午後6時前には、羽田空港で着陸しようとした日本航空(JAL)の旅客機が滑走路上にいた海上保安庁の航空機と衝突し炎上している様子が伝えられました。

火だるまになった旅客機が滑走路上で止まり、中に乗客がいるのかも分かりません。映画の1シーンのような映像で、身の毛もよだちました。

地震に続いて航空機の事故。正月気分も吹き飛び、今年はとんでもない年になりそうな気持になりました。
最大震度7を超す地震。少しづつ被害の状況が明らかになるにつれ、そのすさまじさに驚き、被害に遭われた方々のことが心配になります。地震から72時間を超えると、家屋の倒壊で家に閉じ込められた方の一刻も早い救出を祈らずにはいられません。余震の続く中での救出は、2次災害の恐れもあり大変な作業だと思います。改めて地震の怖さが身に沁みてきます。

昨日の夕刻、自宅近くで知人に会い新年の挨拶の後に日本航空(JAL)事故の話になりました。

その方は以前、日本航空の脱出訓練に参加したことがあるそうです。乗客役の一人として、大声で「早く外に出せ!」「さっさとドアを開けろ」等と叫び、他の乗客役と一緒に騒いで混乱させる役割でした。
そのような中で乗務員が乗客を誘導し、全員を安全に機外に脱出させる訓練で丸1日行ったそうです。

機内に煙を発生させ、不安を煽ったりもするそうです。パニックが起きやすいような状況を作り出し、客乗務員が乗客を落ち着かせ全員を脱出させる訓練を何度も繰り返し行ったと言います。
今回の事故で亡くなったり大怪我をされた方がいなかったのは、乗務員の力が大きいと話されました。

改めて新聞を読み返すと1月4日(木)の朝刊(2紙)の見出しに、『319人脱出 薄氷18分』『訓練の成果出た』『奇跡の脱出』『全員脱出「奇跡的」』の文字がありました。

乗客全員の脱出が完了し、機長が滑走路に降り立ったのは着陸から18分後。その10分後、機体は爆発炎上。あり得ない事が起きるのが「事故」ですが、『319人脱出』は、日頃の訓練と乗務員のプロ意識、そして「不幸中の幸い」がいくつも重なった結果のように思えます。

*知人の仕事は確か「宇宙」関係だったと思います。