今年もあと1週間余り!

先週は『満月』でした。
夜の月もいいですが早朝に見る月もなかなかのものです。

朝5時頃から日の出前に見る月はきれいです。
5時頃は暗闇の中で星とともに輝いています。空はやがて深い紺色になり、そして青く変わって行きます。
月は少しづつ存在感が薄くなり、気が付かなくなります。

『満月』は金色に輝き、本が読めるほどの明るさでした。今週は『半月』に変わってきました。もう、『三日月』です。

「立待の月」、「居待の月」、「寝待の月」という言葉があります。昔の方は季節の移ろいをいろいろな言葉で表現してきました。あらためて豊かな感受性と鋭さを感じます。

30代半ばのころ、お花の先生に、『偉くなってお金を稼ぐことも豊かになることかもしれません。でも毎日の生活の中で、木々やお花から季節の移ろいを感じるのも豊かな事だと思います。』と言われました。

私が勤めていた会社が自主再建をあきらめ、事業所の閉鎖を考えている頃でした。
きっとすごい形相をしていた私に、『もう少し心のゆとりを持ったらどうですか。どこへ行っても、どんな時でも楽しみはありますよ。』と言ったのだと思います。

数日して、酒売り場にいた私に陳列棚の間から笑顔を覗かせ、「いながきさん」と声をかけられました。

勅使河原和風会の中で『名人』と呼ばれ、会頭と一緒に世界中を駆け回り、お花を広めていました。

先生を指導する先生でした。じっと活けたお花を見つめ、ほんの少し花や枝の向きを変えたりしました。一枝・一輪を足す・引くことや葉一枚を落とすことで、全体が変わることを伝えていました。

生けた花を通して、一人一人が持っている魅力や力を最大限引き出していたのだと思います。
「お花」から心の状態を見ていたようにも感じます。
先生は随分と前にガンで逝きました。