日本では第2次世界大戦が終わった後、女性が参政権を獲得しました。
昨年は女性参政権獲得70周年でしたが、今年は4月10日に参政権を行使してから70年になります。
また、3月8日はインターナショナルウイメンズデーです。
1908年、アメリカ・ニューヨークで働く女性たちが、女性の権利がないことや劣悪な労働条件に抗議して、デモを行った日が3月8日だそうです。
二昔以上前、戦後強くなったのは「女性と靴下」と言われることがありました。
家長制度もなくなり、女性が選挙権を獲得し、女性の社会進出が活発になり、学校や職場、地域、いろいろな場で女性が活躍するようになりました。男女平等が当たり前となり、靴下はナイロン製で、破けなくなったことからそう言われました。
現在は、社会のあらゆる場に女性がおり、男女の果たす役割と責任、意識の差はほとんどなくなりました。しかし、実態(実状)を見るとまだ、「男社会」が色濃く見られます。
企業の役員、管理職をはじめ、身近な所では町会長(自治会長)。最も遅れているのが政治の世界、とりわけ国会議員・県議会議員の構成です。女性比率は世界の中で、相当低い方にあります。
反対に現在もなお、女性が多くを担っているのが、子育て・家事・介護等です。
稼得層の中心が男で、女性が専業主婦の時代であれば役割分担とも言えますが、今は違います。
国の方向性や政策、制度、事業・取り組み等での判断に際し、やはり、「男社会」の中で決められていると思います。
世の中の半数を占める女性の視点が正当に反映されていないことが、政治を身近に感じることが出来ず、国会と市民意識のズレ、なんとなく居心地の悪い世の中になっている様に感じます。
先日(3/8)開かれた国際女性デー2016【院内集会】で、心に残る発言がありましたので一部紹介します。
*クォータ制を推進する会ニュースレターVol149より
▽ 大倉多美子(日本女性科学者の会前会長)
リケ女の世界は未だに旧態然とした男尊女卑の世界。男性の手足となって使われている。実際、リケ女は寝食忘れて日本の科学技術の発展の支え手となり貢献しているが、それに対する社会評価は低い。平和や生命倫理の問題は自然科学と表裏一体だ。しかし政治の世界には女性が少なく、ましてやリケ女はいない。バランスある国会にするため、クォータ制を推進して女性を増やし、その中にリケ女をデビューさせたい。
▽安藤優子(ニュースキャスター)
お話しを伺い、実に多くの課題が残されており、さらに新たな課題が加わってきていると実感した。私が報道の世界に入ったのは、38年前、20歳の時、男性司会者のアシスタントとして、かわいらしくニコニコしているのが役目だった。当時は、女性が自分の意見を言ったり、生意気そうな表情をしたりするとすぐに抗議の電話が殺到した。女性の記者などありえないとばかり、記者会見場から女性は出ていけと言われた事もあった。どのようにしてこれまでやってきたかというと、、男性社会に同化することだったと思う。男性の2倍努力して結果を出し、やっと認められた。たまに女性であることが過大評価されることもあった。特に外国での紛争取材など、「女性で初めて」と特別視された。
これからは、女性の参画がごく当たり前のこととなるよう、社会に風穴をあけたいと思う。クォータ制の成立はそのためのもの。私もメディアの一員として支えていきたい。