4月24日(日)、介護の学舎 in清瀬 2016に行ってきました。介護関係の現場で働く方や学生達と一緒に講座を受けてきました。会場は東京の清瀬にある『社会事業大学』でした。
「清瀬」と聞くと、子どもの頃の記憶なのではっきりとはしませんが、「結核の療養所」があったところという印象があります。
駅からバスに乗ると、途中にはいくつもの病院と看護大学等があり、医療・病院の街という雰囲気です。広々とした庭に緑がいっぱいです。道路は広くありませんが、街全体がゆったりとした感じです。
大学は創立70周年といいますので、戦後間もなくできた学校のようです。
授業は9時15分~4時30分迄でしたが、その後、ホームルームの時間でバンドの生演奏がありました。『全体人間』というグループです。
元々演奏活動をしていた方が、数年前に脳溢血(?)で倒れた後、リハビリを重ね、一時はあきらめていた「ギター」を再び弾けるようになり、初めての舞台だと聞きました。
全てが終わり学校を出たのは5時半頃だったと思います。
講座は5つ受けました。1時限は『認知症をもつ人の理解に近づくために』、2時限『性を語る 障がい者の性から考える』、3時限『宅老所の実践! 認知症ケアと地域づくり』、4時限『介護保険のいまとこれから』、5時限『プロの連携とはこういうことだ!』です。
各講座とも、専門的・実践的で内容の濃いものでしたが、印象深く考えさせられたのは、『性を語る 障がい者の性から考える』でした。
NPO法人を立ち上げ、タブー視されてきた障がい者の性の問題に取り組んでいる、熊篠 義彦さんのお話しを聞き、話合う講座でした。
2001年1月、バリアフリーのラブホテル等を紹介するサイト、「熊篠邸の地下室」を開設したのが活動のはじめだそうです。以後、医療・介護・風俗産業等様々な現場で、障がい者のセクシュアリティーに関する支援、啓発、情報発信、イベント等を行っている方です。
『障がい者の性』をテーマにしたアダルトビデオに、自ら出演したこともあると言います。「どんな形であれ、性の喜びを享受する現場から、障がい者が排除されたくない」、「必然性があればいつでもパンツ脱ぎますよ。お行儀のよいことやってて、何が変わるっていうのか。何も変わらないでしょう?」という主張に、人間としての叫びと凄みを感じました。
アメリカやヨーロッパの状況も少し伺いましたが、日本でもこれから取り上げられる問題だと思います。
身体障害、知的障害、精神障害の違い、障害の程度、そして個々人の考え方の違いもあり、性欲、恋愛、出産、子育て、家庭生活等の具体的対応・取り組みはそう簡単ではないと思います。
以前、知的障がい者施設での虐待の問題にかかわったことがあります。性の問題はいろいろあるが、向き合うというより避けている様に思いました。
しかし成熟した社会にあって、障害を持つ人と健常者と言われる人達がともに考え、それぞれの役割を果たし解決すべき大きな課題だと思います。
多様性と社会の豊かさについて、改めてそのことを認識させられました。