先日、ベランダの排水溝の所で「おけら」に出会った。
最後に見てから60年以上が経っています。
昔は子どものオモチャでした。土を掘って、「おけら」を捕まえて遊んでいた。手に持つと前足の動きが両手を広げているように見えるので、その様子を友達と一緒にはやし立てて遊ぶものです。
はやし言葉は、余り「上品」とは言えず、男の子の遊びだったと思います。
「おけら」は土の中にいるものだと思っていましたので、なぜ排水溝の所にいたのか調べてみると水分不足に非常に弱い昆虫だと分かりました。
正式名はケラ(螻蛄)で、英名は「モグラコウロギ」です。
その生態は地中を掘り進み、水上を泳ぎ、空を飛び、地上を歩く・跳ねる・走る等、行動範囲の広い生物です。姿・形からすると、とてもそんな事が出来るとは想像できません。
また、オスは地中の巣穴で鳴くそうです。鳴き声は「ジー……」「ビー……」と聞こえると言います。知らない事ばかりでした。
「おけら」と言うとお金のない状態を、器用貧乏な様を「ケラ芸」と言われています。一部の人たちの間では、馬鹿、間抜けという意味で使われるそうです。
それもあの風体からくるのであれば、少し可哀そうな感じもします。
*「虫けら」は虫全般を指し、このケラ(螻蛄)とは関係がないそうです。
*「おけら」は3㎝程の昆虫ですが、よく見ると独特な風貌で何とも形容し難く、手にした時のあの「ぷよぷよ感」は何とも言えません。図鑑などでぜひ一度ご覧ください。