「時代」

ついにこの日が来てしまった。
頑張ってきたのに、だめだった。
しょうがないことでしょうが、「え、そこまでやるのか」という思いです。

3月10日(金)朝刊の「ヨーカ堂33店舗閉店 衣料品事業撤退 食品に集中」に目が奪われました。
セブン&アイ・ホールディングスが、経営不振の総合スーパー、イトーヨーカ堂の店舗を今後3年間で33店舗を閉鎖することを発表。また、売り上げが低迷する衣料品事業から撤退し、食品事業に集中すると書かれていました。

セブン&アイは、株主の米投資ファンドからコンビニエンスストア事業に集中するよう求められていました。すでに売却を決めた「そごう・西武百貨店」に続き、イトーヨーカ堂の立て直しのための措置だといいます。

百貨店に続き、総合スーパ―がこれほど早く「構造不況業種」になるとは思いもよりませんでした。
イトーヨーカ堂を創業した伊藤社長は、かつて浅草にあった洋品店「羊華堂」で働いた後、北千住に1号店を開店しました。
最盛期にはダイエーや西友と並ぶ総合スーパ―として、全国展開していたお店です。

特に「衣料品」は定評がありました。商品の企画から製造までを自前でやることが出来る店だったと思います。
百貨店で衣料品を扱うバイヤーの多くはメーカーが作った物を「セレクト」するバイヤーでしたが、ヨーカ堂は実際に「モノづくり」が出来るバイヤーでした。
業界では、「ヨーカ堂のバイヤーは、ワイシャツの話をしたら1日では終わらない」と言われていました。

中核事業である「衣料品」から撤退するというニュースに、改めて「時代」の変化を感じます。
 

*百貨店にいた当時、副社長がヨーカ堂本社に伊藤社長を訪ねたことがありました。帰る時、伊藤社長が一緒に1階まで下りてきてお見送り頂いたと聞きました。

その後、チェーンストアへ移ってからヨーカ堂本社には仕事で行きました。全てがきちっとしている独特の雰囲気でした。
ダイエー(東京本社・本部?)はいつ行ってもワイワイしていたように記憶しています。当時、日本橋の表通りから数本入った古いビル入っていたジャスコ(現イオン)東京本社は、それほど元気がなかったと思います。今日の大きく発展した「イオングループ」の姿を想像することは出来ませんでした。

「時代」とともに、人も企業も変わります。