「まちごとホテル」

驚きました。こんなことを本当に考え、実際にやっている人がいることに。

東大阪市の布施商店街にある「まちごとホテル」のことです。
空き店舗が目立ち、シャッター通りとなっている商店街は全国どこへ行っても見られる光景ですが、空き店舗をホテルの客室として利用し、商店街を「まちごとホテル」として活用している取り組み(事業)です。まち全体をホテルに見立て、店舗に泊めるという発想に驚かされます。

客室は、かつて営業していたさまざまな業種の空き店舗で商店街に点在し、看板も内装も昔の面影を残しながら客室になっています。営業を続けている店舗は、宿泊者へ必要なサービスと大阪の下町体験を提供しています。

単に空き店舗を利活用するだけでなく、商店街全体を活性化する取り組みが行われているのがスゴイことです。そこに住む人々と一緒に日常の暮らしを体験、交流し、そこの文化に触れるためのホテルだと思います。

同じような旅館・ホテル。そして、なんでもあるが何もないショッピングセンターに飽きている人達に支持され、国籍に関係なく利用は広がって行くと思います。

本格的なインバウンドが再び始まっています。海外からの旅行者が困るほど増え、旅行関連の交通・宿泊・飲食・体験等に落ちる「お金」が日本の基幹産業に匹敵するのは、そう遠くない日だと思います。
フランスのファッションや料理と同様、日本でも「文化」を売る時代が本格的に始まったということです。一日の疲れを銭湯で、地元の方と一緒に湯舟に浸かり情報交換する光景が目に浮かびます。

その先駆けとなる一つの試みが、東大阪市の布施商店街「まちごとホテル」ではないでしょうか。