消防議会・市議会での質疑(救命士殴打事件)

3月29日(火)午前9時30分より、吉川松伏消防組合定例会が消防本部において開催されました。

同僚の伊藤議員が一般質問の中で、救急救命士殴打事件について、〇人事や採用について。組織管理について。その基本的考え。(リーダーシップの心構えと組織運営の要諦について) 〇救急車暴行事件。ケジメはついたのか。教訓はないか。との視点から質問。

答弁に立った中原管理者は、『就任後、●市民の安全安心を守る ●隊員の安全安心を守る体制を作る。との立場から、「救命士殴打事件」を検証した。この中で、①消防と言う組織の中で、指示系統を越えての指示はなかった。②暴行を受けた隊員も最初から届出(告訴)をためらっていた。③取下げは、前管理者(戸張市長)の指示で行われた。ことが判明し、それらを明らかにした。』

そして、『前管理者がどのような背景で「取下げ」をさせたのかや、どのようなやり取りがあったのかを明らかにする理由はないと考える。』また、消防長については、『管理者より口頭注意を行い、ケジメはついている。自分がやるべきケジメはつけたと考える。』と。

傍聴していた私には、この答弁に、伊藤議員は狼狽したように見えました。昨年の6月消防議会の頃から、中原管理者はこれ以上の解明は行わないとの雰囲気の答弁をしていましたが、今回の幕引き宣言ともいえる言葉に相当ショックを受けたようです。だから、その後の質問にためらいがあったと思います。本音で追及すれば、お互いに後戻りできないことになっていたと思います。

昨年3月の消防議会で、「被害届取下げ指示」を戸張前市長が行ったことが明らかになりました。しかし、『誰が何のために、そのような工作を図った』かは明らかにされていません。
誰かからの依頼を受けて、前市長が指示したものか、自らの考えで行ったのかは不明です。事件の解明は、まだ半ばと言えます。私を含め、この問題の真相究明とケジメをつけた出直しをすべきと考えている市民にとって、納得できる解決ではありません。そもそも、公務中に起きた事件。犯人が酩酊していたからといって、隊員個人の示談で済ます問題ではありません。組織として対応するのが当然だと思います。なぜ公務執行妨害の現行犯として、逮捕されなかったのか分かりません。

119番通報で駆け付けた救急車。救命士が救急活動を始めようとしたとき、傷病者の知人が、「遅い」と怒鳴り救命士に殴る蹴るの暴行。隊長が男を羽交い絞めにして制止。警察官の派遣も要請。全治2週間のケガ。吉川警察署に被害届を提出、告訴。警察は2回にわたり、消防関係者7人について6時間余り事情聴取。それが数日後、内々に取り下げられ示談で幕。消防組織内での説明も一切なく、誰も明確な責任も取っていない。不思議です。

 

一方、吉川市議会では3月17日(木)の一般質問で同僚の齋藤議員が 〇救急隊員暴行事件、市職員隠ぺいに関与真相究明は。について質問。

質疑の中で、市職員の関与については『当時、秘書担当者が対応した内容は、まず事件が発生した平成24年12月30日に事件の一報を受け、当時の消防長に電話連絡を行い、事件内容の確認を行っております。また、事件発生後から数日後、事件当事者から消防組合に対して謝罪したい旨の話があり、前市長からの指示により、謝罪する日程と事件当事者の電話番号を確認し、それを消防組合の担当職員であった消防次長へ伝達しております。調査の結果、当時の秘書担当者の取った行為につきましては、秘書業務として電話連絡の対応をしたものであり、齋藤議員のご質問にございます担当者自らがこの事件に関与し、指示を出してことの処理に当たるというものはございませんでした。』と政策室長が答弁。

さらに再質問の中で、『平成24年12月30日、救急隊員が暴行を受けたとの事件についての報告あるいは確認について、事件発生後当時の消防長からからまず管理者の方に電話で報告が入っており、その際、現場に『元の議長』がいたという事から管理者から議会事務局長へ連絡するようにと言うような指示があったようでございます。議会事務局長は、元議長の『お兄さん(元総務部長)』の方へ確認を、本当のことなのかという事で確認を行ったそうです。その確認を行った際には、『元議長』は現場には行ってないという事があって、それが議会事務局長から秘書の方へ連絡が入ったそうです。議会事務局長は、先ほど誤報であった旨の報告をし、秘書はその報告を受けて前の消防長に対して、誤報の再確認を依頼したという事でございます。消防長は秘書に対して、誤報で間違いないと報告をしたという事でございます。その時、秘書は消防長に対して誤報であったことの周知、第一報の打消しが必要ではないかという事でお伝えしたという事でございます。』と答えています。

消防議会では幕引きを言い、市議会ではさらなる疑惑を感じさせる答弁です。市の本意が分かりません。いずれにしても、権力犯罪と言える隠ぺい工作事件に関与した方々の名前が分かってきました。そして、巷で囁かれている「犯人身代わり説」が出てきた背景が浮かんできます。

「権腐10年」。市政も議会も新しい空気が入って来なければ腐敗する。全てが闇の中に消えていた。

市長の交代そして、先の選挙で無所属市民派議員が当選し最大会派となっていなければ、吉川市議会で「消防」という言葉すら言えない状況が間違いなく続いていた。