「花冷え」に思う

今年は開花が1週間くらい早いと言われていたが、咲き始めた途端に、『花冷え』。

毎年桜の花が咲くころ、冬に戻ったような寒い日が来ます。雪が降ったこともあったと思います。
今年はしばらくの間、桜の花を楽しめそうです。

昨年までは年に数回、木を見に行っていました。木の先生と一緒に、日帰りが出来る範囲の所へ7~8人で行っていました。
新潟・福島・茨城・埼玉・神奈川・静岡・山梨県等にある木です。

桜の木も何本か見ました。
巨樹・巨木を見る会ですので、花の咲いていない時期を選び、じっくりと木を眺め、先生からその木のことや、その地域のことを伺い、数百年前の様子を想像して思いを巡らす。そんな会でした。
桜の花が咲いている時期に行ったこともあります。

サラリーマン時代、異業種の人達との勉強会へ行っていました。毎月1回の定例会でいろいろなジャンルの方を講師に招き、話しを伺った後意見交換をする。その後、講師の都合が良ければ場所を移し、さらに一杯飲みながら話をする会でした。
勉強会に招いた講師の一人が木の先生です。

勉強会は少なくても20年以上は続いていましたので、200~300回位はやったと思います。
講師もNHKの論説委員、大学教授、エコノミスト、企業の社長・役員、医師、お花やお茶・お香の家元、国連職員、気功の大家等様々な分野で活躍している方にお願いしました。

サラリーマンの勉強会なのでそれ程お金がありません。講師に払えるお金は交通費そして飲み代だけです。
オモシロイもので、それでも来ていただける方は沢山いました。
来ていただいた動機は、『本音が聞きたい』と言うことでした。
企業の第1線で働くサラリーマンや自営業者等が話を聞いた後、『先生、それは違うのではないですか。私はこう思う。と言ってもらい、議論したい。それが出来るならタダでも行く。』『違う世界の人達の、本音が聞きたい。』と言うのが大方の動機でした。

1回1~1.5時間程度の講演で、100~200万円が相場の方も大勢来てくれました。勿論、『私は最低でもいくらです。』と言って断られた先生もいました。しょっちゅうテレビや新聞、雑誌等に出ている方ほど、講演が終わると、『ごもっとも。ご高説に敬服しました。さすが先生等々』言われているので、疲れているのだと思いました。

また、日頃大勢の聴衆を相手に話をされているので、10人前後の我々を前にしてホットするのか、自分の生い立ちや、なぜこの仕事を選んだのか、本当の苦労話等、普通の講演では聞けないことを多く伺えたと思います。

会員は7~80人いたと思います。サラリーマン(NHK・鉄鋼・建設・鉄道・銀行・保険・百貨店等)、自営業(モノづくり)、医師、看護師、大学教授、短大講師、設計事務所、役人(官庁)、保険の外交員、主婦等様々で女性もかなりいました。夫婦で来ている方もいました。
講師に来た方が会員になることも多く、多様な方がいろいろな話をされるので楽しい会でした。

ほとんどが私より年上でしたので、先に現役を引退されたり子会社へ移られたりしているうちに、だんだんと活動が少なくなってきました。引退を機にアメリカへ夫婦で移ったり、子どもを連れてオーストラリアへ移住してしまった方もいました。
そんな中で、「木を見る会」が継続し参加してきましたが昨年、木の先生が亡くなり終わることになりました。

勉強会は直接こちらの方から訪ね、現場を見て、話を伺うこともありました。
鶯谷に、神社仏閣に収める大きな提灯を作っている方を訪ねたり、泊まりがけで京都(奈良)へ「最後の宮大工」と言われていた棟梁の所へも行きました。この時は、「最後の宮大工」が前日に入院したため、お寺の見学と宴会で帰りました。今でも、お会い出来なくて残念だと思っています。

巨樹・巨木ツアーも、直接木を見て、出来たら触れて、話を聞きたいということから始まった会でした。
今年からは一人で行くことになります。