高水三山へ初めて行ったのは、20年位前でした。
サラリーマン時代の休日に奥多摩へ行っていた頃、初めて登ったところです。
突発性難聴になり大学病院で治療を受けましたが、元には戻りませんでした。ステロイド系の薬を飲みましたが、7~8割の回復で、低い音が聞こえなくなりました。
どちらの耳か忘れましたが、今でも健康診断の聴力検査で、「所見あり」と出ます。
奥多摩へは毎週水曜日に行っていましたが多摩川のほとりで一日中、川の流れを見つめ、せせらぎを聞いていました。
1年近く続けていましたが、ある日山にでも登ってみようと思い立ち、登ったのが高水三山でした。
ガイドブックには、『戦畑(いくさばた)から高水三山を縦走する初心者でも楽しめる人気コース。奥多摩入門の山として初心者にも手軽なコースで下山後の楽しみも』とありました。
初登山の時、軽い気持ちで駅を出て登山道に入るまでの20~30分歩いただけで息苦しくなり、今日は体調が悪いので帰ろうと思いました。しかし、何んとか歩いて御嶽の駅へたどり着きました。
それから2~3年間通いました。同じコースですが四季の変化があり、毎回新たな発見があるところです。落ちた「ドングリ」がどのように芽を出すのかを見つけた場所でもあります。
高水山・岩茸石山・惣岳山の三山は750mほどの低い山ですが、春夏秋冬を感じることかできます。新緑の季節もいいですが、秋には木の葉のそよぐ音や、冬に霜柱を踏みしめる音が心地よく感じられます。
1月・2月は、一人駅を降りて登り下山するまで全く人と会わないこともあります。乾いた落ち葉と霜柱そして雪を踏み、自分の吐く息、鳥の鳴く声、風の声の中をただ歩く「山頭火」の世界です。
突発性難聴の原因はよく分からないようですが、自分では、『人と話をしたくない、他人の話も聞きたくない』ことが原因だと思っています。
話したくない・聞きたくないという思いが、身体が自ら防衛しているのではないかと思います。
人間の身体は上手くできていると思います。気持ちでは負けていないと思っていても、身体は「休みなさいと」命ずることが時々あります。
会社の同僚、上司、部下そして妻や子ども達の声まで、「聞きたくない」と閉ざしていた心と身体が、自然の中に身を置くことでゆっくりと回復し、生きる力が湧いてきたのだと思います。
出来れば今日か明日、高水三山へ行こうと思います。
*追記
昨日8月14日(日)、高水三山へ行ってきました。今年初めての登山です。
旧盆の日曜日、山ガール・おじさん達・家族連れで山は賑やかでした。午前中は曇天で山登りには良い天気でした。昨年も1度(どこの山かは忘れました)行きましたが、久しぶりでしたので結構きつく、特に最初の高水山頂までがしんどく途中ハアハアしました。コースは分かっているのですが目標となる所までが長く感じ、距離感が違うように思いました。
日頃、朝の散歩で10km程度は歩いていますがやはり平地と山は違います。