初めて谷川岳の「一ノ倉沢」を見てきました。
谷川岳の象徴的な場所ですが、巨大な岩壁でした。下から見ただけですが、上からのぞいたら足がすくむと思います。
何万年もの前の氷河期に、氷河が削った荒々しい岩肌が目の前に立ちはだかっていました。
壁は何人も寄せ付けないたたづまいで、ただじっと歴史のなかの一時、己の役割を果たしているよに感じました。
岩壁と言うより絶壁ですが、昨日もロッククライミングをしている人がいたようです。
今朝、一緒に行った方から、『望遠で撮った写真に人が写っている』と伺いました。
これまで、800人もの方々が滑落などで亡くなったそうです。谷川岳「一ノ倉沢」という同じ場所で、800人もの方が亡くなるというのは他に例はないと思います。
亡くなった方の名前と年齢そして家族の思い、名前を記したプレートが下の岩壁にいくつも打ち付けられていました。
山岳会の名前で、慰霊の言葉を刻んだものもありました。
亡くなった方々は、10代、20代が圧倒的に多かったと思います(ロープウェイ土合駅の少し手前に慰霊碑と全員の名前、出身地等を記した石碑があります)。
家族の思いは理解できるように思いますが、若くして逝ってしまった彼らは今、岩壁の上からどんな思いで私たちを見ているのでしょうか。
そして谷川岳「一ノ倉沢」に魅了された彼らは、どのような思いで絶壁の壁に挑戦したのでしょうか。
*昨日10月22日(土)、谷川岳、一ノ倉岳の名峰を仰ぎつつ、落葉広葉樹の森と渓流を歩いてきました。谷川岳ロープウェイ土合駅からマチガ沢、一ノ倉沢、幽の沢、JR巡視小屋、マチガ沢分岐、谷川岳ロープウェイ土合駅に戻るコース(4.5時間)を5人でおしゃべりしながらの旅でした。湯檜曽川沿いの河原で昼食をとっている時、「一ノ倉沢」の上空をヘリコプターが何度も旋回していました。長い時間でした。事故があったのではと気がかりです。
紅葉には少し早い時期でしたが、黄色と緑が溶け合う林の中や湯檜曽川のせせらぎを聞きながらのウオーキングはとても良い気分でした。今月末から11月はじめの頃には、さらに葉も色づき「紅葉」が楽しめると思います。