池上彰さんの「夜間授業」

昨日、池上彰さんの〈夜間授業〉「〝戦後〟を作った10人の日本人」第3回「小泉純一郎」へ行ってきました。 今回で2回目の参加です。

池上さんは前回同様いきなり話はじめ、「小泉純一郎」さんを『毀誉褒貶(きよほうへん)』の人としました。 褒めることとけなすことのある、功罪ある人だと言いました。

また、その人となりについて、【語彙力のない・ぶれない・表裏のない・他人の悪口を言わない】人。そして【有権者に媚びることのない・反対する人や勢力に対しては、説得することなく切り捨てる】人だとも。

その上で、郵政民営化、北朝鮮外交、イラクへの自衛隊派遣、官邸機能強化とメディア戦略、官邸主導の確立、衆議院解散、田中真紀子更迭等について、「小泉純一郎」の考え方の背景や関わりについて話されました。同時に、安倍政権の手法や今日の政治状況への繋がりを説明していました。田中外相更迭の所は週刊誌的でしたが、その他は的確な分析のように感じました。

「小泉純一郎」といえば、2001年(平成13)大相撲夏場所優勝の貴乃花に、『痛みに耐えてよく頑張った。感動した。』という言葉が浮かびます。短い言葉で相手に伝えることが出来る稀な政治家だという印象でした。それが、対談した池上さんによれば、「もともと語彙の少ない人」というのは驚きでした。

訪米した小泉首相が、米ブッシュ大統領の別荘(農場)で、エルビスプレスリーの真似をしてギター(エアー)を弾いて歌う姿がテレビで放映されたことがありました。ブッシュ一家の満面の笑顔が忘れられません。

小泉さんの相手の懐に入り込む力は「スゴイ」と思うとともに、アメリカでここまで出来る時代になったのかと驚きました。戦後は終わったと感じました。祖父で逓信大臣だった小泉又次郎(全身に刺青を施していたため「いれずみ大臣」と呼ばれた)の影響があるのかも知れません。

実際の所は分かりませんが、「小泉純一郎」は今、月に数回の「反原発講演」とオペラ、歌舞伎三昧の生活だそうです。

次男「小泉進次郎」さんについては、『40歳までは*雌伏』だと言っているそうです。しかし、政治の世界。いつ何があるか分かりません。

「進次郎」さんは「父の演説」と「落語」で研究をしてきたそうですが、テレビでのコメント等を聞くと父親を超える表現力のある方だと思います。

*雌伏(しふく): 将来活躍する機会がくるのをじっと耐えて待つこと。