横田 滋さん

6月5日、横田滋さんが亡くなった。
享年87歳でした。
1977年、北朝鮮に拉致された横田めぐみさん(当時13歳)の父です。
「北朝鮮による拉致被害者家族会(家族会)」に加わり(代表を務めたことも)、妻の早紀恵さんとともに拉致問題の解決を訴え続け、活動をされてきました。
当時中学1年だった長女めぐみさんと再会することはかないませんでした。
残念なことです。

2002年の小泉訪朝で、めぐみさんら8人「死亡」、5人「生存」と伝えられました。2004年には、めぐみさんの「遺骨」を北朝鮮が提出しましたが、DNA鑑定で別人と判明しました。
この間、期待と不安の中で「めぐみ」さんを取り戻すために頑張ってこられましたが、力尽きました。
無念だと思います。

振り返ると、当時の警察、マスコミの対応は不適切でしたが、事件が表面化したのちの政府・国会の取組に問題があったと感じます。
北朝鮮は難しい国だと思います。交渉も一筋縄でいかないことも分かります。
しかし、国民の生命・財産を守るのが国の基本的な責任です。時の政府に、国民を取り戻す決意と行動が無ければ国とは言えません。比類なき権力を持ち国民から税を徴収するのであれば、その責任を果たすのは当然だと思います。

安全ピンで止める布制の「ブルーリボン」の頃から、拉致被害者を帰国させる活動に加わってきました。
「一日も早く家族を取り戻したい」という被害者家族の思いに共感し、応援したいという気持ちです。
イデオロギーも政党も関係ありません。

国家犯罪である拉致事件に、個人として戦うことは出来ません。国と国との関係で解決すべきことです。解決への決意、具体的取り組み、折衝、合意。総理の決断から始まります。

長いこと拉致被害者を取り戻すための「国民大集会」に行っています。国民大集会には、拉致担当大臣をはじめ各政党の国会議員が挨拶をします。
皆、勇ましいことを言いますが実際には何も進みません。何もやっていないのでは、と思える程です。

平成30年9月23日の「全拉致被害者の即時一括帰国を!国民大集会」には安倍総理が出席しました。永田町の駅から会場へ向かう道は厳重な警戒態勢でした。安倍総理が来るということで、交渉が進み新たな展開があるのではと期待しましたが、何もありませんでした。

数年前から、家族会メンバーの欠席が目立ちます。高齢化が進み、入院中(病気)や亡くなったとの報告が多くなりました。親から子どもの世代へと変わっています。子ども達と言っても、すでに40代から60代です。

いつまでこの状況が続くのでしょうか。

もし、自分の家族が拉致されていたらどんな気持ちでしょうか。一人ひとりに問われることです。

*横田 滋さんの訃報を聞き何とも言えない気持ちです。言いたいことはありますが言いたくもありません。拉致被害者の活動や支援活動に係わることは、色々な考え方の方がおります。

6月議会最終日に「討論」に立つ予定で、その準備をしたいと思っていましたが手につきません。昨日と今日、朝からマンション内を通る緑道の「笹」を刈り取りました。日中の作業で、沢山汗をかいて少し気分も落ち着いてきました。