「一国二制度」

熊本県南部を流れる球磨川氾濫の様子が、今朝からテレビで流れています。
東京都のコロナウイルス新規感染者が50人台から3日連続で100人を超えたと伝えられています。

海外でもこのところ、余りよいニュースがありません。
中国では全国人民代表大会で、香港の反体制活動を取り締まる国家安全維持法(国安法)を全会一致で可決しました。

香港政府を超えて、中国政府の権限が大幅に強化されるもので、反体制活動・言動への厳罰化が現実になります。

英国の植民地だった香港が1997年に中国に返還されて23年。中国政府は「一国二制度」として香港の自治と自由を保障してきました。

香港の憲法にあたる香港基本法では「香港人が香港を統治する」原則のもと、行政管理権や司法の独立を認めてきましたが、返還以来続いてきた「一国二制度」が大転換されました。

香港の自由や自治は形骸化され、「中国化」が進むことになりそうです。

中国政府が「国安法」の成立を強引に進めたのは、やはり香港の現状を放置すれば民主化が進み、香港独立・中国との分離そして台湾独立に繋がると考えたのではないでしょうか。また、自由や基本的人権に対する考え方が中国本土に影響が及ぶと恐れたのではないでしょうか。

昨年6月に急拡大した香港でのデモはそれ位の勢いだったと思います。東欧の旧共産圏で親米勢力が政権を倒したカラー革命を思い起こさせます。盛んに「米国陰謀論」を流した中国政府の不安が、そうさせたのかも知れません。

香港人の希望を断ち、国際金融センターとしての地位・役割を失い、諸外国からどんなに非難を受けようとも構わないと考えたのでしょうか。

2047年に香港は返還50年を迎えます。
どんな都市に生まれ変わっているのでしょうか。