嫌なニュース

「嫌なニュース」というより「つらいニュース」が続いています。

中国の立ち居振る舞いは、傲慢、不遜を超えた「狂気」のように思います。
新彊ウイグル自治区での人権侵害です。

移動の自由や信教の自由を制限したり、恣意的に強制収容所へ収容し拷問・避妊・中絶・強制労働などの人権侵害が行われているといいます。アメリカのバイデン政権は「ジェノサイド(集団殺害)」だと非難しています。

これに対し、中国は「客観的事実のないままこの罪名を持ち出し、政治的に汚名を着せることは許されない」「世紀の大うそ」だとしています。

ウイグル自治区での「中国化政策」は、数年前から報道されており、香港の選挙制度改革にも通じているように思います。中国指導部は「愛国者による香港統治」を掲げ、裁判で民主派を排除し、民意の反映より中国指導の意向に従う体制づくりを強引に進めています。
おなじことをウイグル自治区でも行っていると思います。

権力者による「狂気」はミャンマーでも行われています。クーデターで権力を握った国軍と警察による市民への弾圧はエスカレートしています。
連日、平和的に行われている抗議デモに対し、治安部隊による武力弾圧で多くの死傷者が出ています。隠し撮りしたと思われる残虐な行為の映像が流れ、現地メディアの報道では死者だけでも543人と伝えられています。

国民を守るための軍が、市民へ銃を向け幼い子どもの命さえ奪う現実に、なんとも言えぬ思いです。

ミス・グランド・インターナショナル(ミスコンテスト)にミャンマー代表として出場した大学生が、「どうかミャンマーを助けてください」「母国ミャンマーでは、私がこのステージに立っている間にも多くの人が亡くなってる」「市民の力では国軍は止められない。国際社会や国連の支援が今すぐ必要です。直ちに行動を起こしてほしい」と訴えました。

茂木外相は軍の行動に対し「強く非難する」と言いましたが、具体的な取り組みはされていません。

日本はミャンマーに対する最大の支援国です。国軍とのパイプを生かし、解決のいとぐちをつかむための話し合いをすべきではないでしょうか。特使を派遣する等具体的な行動を起こすべきです。

国軍がクーデターを起こしたのは、軍の権益を守るためだと言われています。選挙でアウンサンスーチー政権が勝利しさらなる民主化政策で、軍が持っている権益が失われるとの恐れからです。国民の幸福より自分たちの特権と利権を守ることを優先しました。

中国で利権を握っているのは、共産党・軍・地方行政区の幹部そして大企業の経営幹部です。彼らの子弟の多くは、アメリカやイギリスに留学し大学(大学院)卒業後、欧米で仕事に就いています。

親たちは利権で得た資産を海外に移し、いつ中国で何が起きてもまっ先に脱出できる体制を整えていると聞きます。

長い歴史の中で、王朝・国・政権は永遠に続くものではないと理解しているからかも知れません。
世界中の都市にいる「華僑」はその「さきがけ」かも。

*追記(4月5日): 昨夜午後9時からNHKテレビで、NHKスペシャル「衝撃のミャンマールポ デジタル駆使した抵抗 日本・世界で連帯が! 徹底解析・弾圧の実態」が放映されました。

内容はタイトル通りのものでした。国軍や警察による残虐な行為の中、逃げまどいながら抗議活動を繰り返し続けている若者たちの姿がありました。デモに行けば、実弾で頭や背中を撃たれる危険を承知しての参加です。3本の指を立てシュプレヒコール上げて歩いています。手の「こう」には、血液型と連絡先が書いてありました。そこに、何としても「軍政を終わらせる」という覚悟が見えます。10代、20代の若者が中心です。

最近、反政府武装組織に加わる若者も出てきているといいます。これが広がると泥沼化し、さらに大きな混乱を招き、市民への被害が拡大します。そうなる前に、国際社会が声を上げ行動をすべきです。そのために一個人として何ができるのか、何をすべきかを考え、行動していきたいと思います。