何が何でも

オリンピック開催に係わる政府・東京都・IOC関係者やIOCバッハ会長の発言からは、「何が何でも東京オリンピックを開催する。それ以外の選択肢はない」という前提での言葉しか伝わってきません。

1年以上も続くコロナ感染症の拡大。一向に収束の見えない中で、日本と世界の現状を見ようとせず、世界の人達と日本国民の気持ちを聞こうとしない。

「これまで逆境を乗り越えてきた日本人なら、厳しい状況も乗り越えられる」。バッハ氏の言葉からは、最後には「神風」が吹き日本は勝つと言っていた戦争末期を思い起こさせます。精神論でコロナウイルス感染症を抑えることは出来ません。安倍元首相の「オールジャパンで対応すれば何とか開催できる」も無責任な発言だと思います。

開幕予定の7月23日まで3カ月を切っています。今、本当に開催できる状況なのか、やる必要があるのか、冷静に開催の是非を判断すべきだと思います。大会関係者が、なぜ問題を提起し、しっかりと検証・議論しないのか理解できません。

私は、中止すべきだと考えます。何が何でも開催すべきだと考える人は少ないと思います。
オリンピックが世界の国や人々に、どれほどの夢や感動を届け経済効果をもたらすのか分かりませんが今、政府が果たすべき役割は国民の生命を守ることと新型コロナウイルス感染症の収束に全力を尽くことだと思います。

昨日、4都府県に出されている3回目の非常事態宣言が延長されました。5月11日の期限を5月末まで延長し、12日から愛知・福岡県を対象に追加しました。ゴールデンウイークの「短期集中対策」として出された非常事態宣言ですが、失敗しました。当初より、期間が短すぎて効果が薄いと言われていましが、バッハ会長の来日予定があり「短期集中対策」になったと思われます。

特に変異株が猛威を振るう関西では、強い感染力と重症化のスピードが速く感染拡大が止まりません。大阪では入院率10パーセント。10人に一人しか入院していません。医療がひっ迫と言うより崩壊しつつある状況です。

新型コロナウイルスの感染防止と治療の責任は開催国にあります。今の状況でそれが出来るのでしょうか。オリンピック開催で世界の変異株を集め、国内だけでなく世界へ拡散することに繋がる恐れもあります。

オリンピック開催は、取返しのつかないことになります。

政権が吹っ飛び、自公が下野して済む問題ではないと思います。