「所信表明演説」

10月8日(金)、岸田首相は衆参両院の本会議で就任後初めての「所信表明演説」を行いました。

全文が昨日(9日)の朝刊に掲載されましたので、読んでみました。
はじめにの中で、喫緊の最優先課題を新型コロナウイルス対応と影響を受けている方々への経済対策の策定、その上で新しい資本主義の実現を目指すとしています。
そして政策を、1新型コロナ対応 2新しい資本主義の実現 3国民を守り抜く、外交・安全保障の3つに分け、政策の柱や重点目標、課題等への取組みを述べています。基本的には自民党総裁選挙での訴えと同じ内容ですが、具体的にはこれからということです。

印象に残ったのは、はじめにの中で「私が書きためてきたノートには、国民の切実な声があふれています」で、一人暮らしの方のコロナ感染への不安。テレワークで激減したクリーニング店の厳しい事業継続。里帰りできず、1人で出産。誰とも会うことが出来す゛孤独で不安との声を取り上げたことです。

目は将来を見つめ、常に現場の声を聴くことはトップとして大切な姿勢だと思います。

政策では、
●新型コロナ対応は当然の内容だと思いますが、安倍、菅政権の失敗をしっかりと検証し、最悪の事態も想定した第6波への効果的備えを行って頂きたい。

●新しい資本主義の実現では、「成長と分配の好循環」「分配なくして次の成長なし」との考え方です。中間層の拡大、カーボンニュートラル、科学技術立国の実現等多角的な視点で捉えています。

これらは政府と産学一体となって進めることだと思います。利益を貯めこむだけの企業では成長できません。また、全てをアメリカ的グローバルスタンダードに合わせるのではなく、分配・投資も日本的スタンダードが必要だと考えます。

●国民を守り抜く、外交・安全保障では、最重要課題を致被害者の帰国実現。核兵器のない世界を目指し、唯一の戦争被爆国としての責任を果たす。ロシアとの領土問題の解決をあげていますが、よく、言い切ったと思います。

これまでの歴代内閣も重要課題として挙げてきた内容ですが、実際には全くといってよいほど進んでこなかったことばかりです。一歩進められれば、歴史に残る内閣になります。
難しいことは分かりますが、半歩でも進めて解決への糸口をつかんでほしいと思います。
いずれにしても、これからです。第100代総理 岸田文雄首相には自戒でもある言葉を贈ります。

『為さざるなり 能わざるに非ざるなり』
*出来ないのではなく、しようとしないのである