最高裁判所裁判官国民審査

先の衆議院議員選挙と同時執行された最高裁判所裁判官国民審査。
対象となった11人はいつものように全員が信任されました。

選挙公報に裁判官11人の経歴、担当した主な裁判、信条等が顔写真とともに掲載されていました。裁判官・検察官・弁護士・行政官・法学者出身の62歳から67歳で、女性は2人でした。
1人だけオモシロイ方がいました。生まれ育った田舎の光景が見えるようにな表現で生い立ちが書かれ、また野菜作り?だったと思いますが趣味の記載もありました。他にはおらず、裁判官である前に一人の人であると言っているようで好感を持って読みました。

憲法の番人とよばれる最高裁判事ですが、憲法判断に係わったことのない方も多く、信任・不信任判断のしようがないように感じます。

第1回の国民審査(戦後昭和24年)から24回目ですが、過去に罷免された裁判官は「ゼロ」です。


大学でのゼミは「刑法」で担当教授は元最高裁判事でした。
戦後、「公職追放」となり弁護士をしていた時もありました。検察出身で戦時立法にも関わり、日本の戦争遂行に果たした責任を問われたようです。

「刑法」の授業初日、教壇に立ち講義を始めようとしたしたその時、1人の学生が立ち上がり『あなたは恥ずかしくないのか。日本の戦争遂行に協力し、国民を苦しめたことに……。』と言った。
静まり返った教室で、教授はひと言二言静かに話した後、授業を始めました。
50年以上も前のことで正確には思い出すことは出来ませんが「その言葉」を聞いた瞬間、この先生の「ゼミナール」に入ろうと決めました。

ゼミの「授業」だけでなく「コンパ」や先生の「自宅」で、ゼミ仲間と一緒にいろいろなことを話しました。
司法研修生時のことやなぜ検事になったのか、なぜ戦時立法の策定に係わったのか、追放時代に弁護士として関わった事件等。そして「生き方」について。

深夜「どろぼう」に入られ時の「怖かった」こと、電車の中で無作法の人を注意したら「うるせえ! ジジイは黙ってろ」と言われた時の思い等も伺いました。

酔うとドイツ語で歌い、ロシア文学を語る、先生の姿が思いだされます。