昨日(5月15日(金))、時事通信社主催のセミナーに行ってきました。「グローバル時代の“食”を考える」がテーマですが、オープニングスピーチは東京農業大学の小泉武夫教授でした。「食を愉しみ、心豊かな生活を~多国籍食卓時代の食文化~」という演題でした。「和食」が日本人の健康を取り戻し、日本農業の再生につながる。肉を食べる時は、必ず野菜をたくさん食べる。というのが結論だったと思います。
究極のベジタリアンである日本人は、民族と家族の遺伝子を持っている。「和食」の主な材料は、1根菜 2茎 3果物 4山菜・きのこ 5大豆 6海藻 7穀物。副材が1肉 2卵 3魚。これらを長い間食べ続けてきた。主材はみな植物系であり繊維。繊維は便として排泄されるまで腸を刺激し強くする。そして、悪性菌を一緒に排泄してきた。これにより、腸内の乳酸菌は活性化し元気な身体を保っていました。しかし50年位前から、とりわけこの20年で日本人の食生活は大きく変わった。高カロリー高タンパクを中心にした油じみた食生活は、腸内に悪性菌を増加させ、腸に関わるガンや成人病を増加させている。『食べ物は怖い』。子ども時代の食生活は、大人になっても影響を与えます。小中学生の暴力事件激増はミネラル不足等、食事との関係があります。日本人の遺伝子に合う和食、みそ等の発酵食品を見直し、健康を取り戻しましょう!。こんな話でした。
小泉武夫さんは著名な醸造学・発酵学者です。また、福島県の酒造メーカー(蔵元)の家に生まれ育った方ですので、みそ・醤油・漬物・酒等、『発酵』についての話をもっと伺いたかった。食べ物は皆、腐ります。腐るという現象を利用して、逆に「保存」方法の一つとする。同時に、さらに「美味しく」人の体に「有益」なものに変えていく発酵の不思議さ、技術について研究者の話を聞きたい。とても1時間では聞ける話ではないので、3泊4日ぐらいの集中セミナーでもあれば、万難を排しても出席したいと思う。
時事通信社のセミナーには、これまで何度か参加しています。『地球温暖化と生物の多様性』がテーマの時には、佐渡島での「トキの保護」と「棚田の再生」の取組について環境省の担当者から話を伺った。現地で活動しているだけに、温暖化と生物の繋がり・関係性が具体的で分かりやすく説得力があった。
また、『観光立国日本』の時には、諸外国から見て日本がいかに魅力的なところなのか。そして、『観光は、基幹産業に匹敵する経済効果をもたらす成長産業である』と、旅行関係の仕事をしている中国人講師から伺った。
『観光資源は、観光地の名所旧跡、風景、名物(美味しいもの)だけではない。水や空気、治安の良さ・安全なまち、交通機関の正確な運行、日本人のマナー・礼儀正しさ、親切さ、やさしさ、自然と街並みの美しさなど等、日本人自身が気づいていない日本文化の全てが資源である』と、将来の日本観光の姿を熱く語っていた。
この数年、海外からの観光客が本当に増えている。銀座や浅草、渋谷・新宿等の繁華街だけでなく郊外の街でも。それも、世界中から来ている感じがする。今でも、中国から来ている方は勿論多い(電車の中や街中で話す声が大きいので目立ちます)と思いますが、イスラム教の国々や南米、ヨーロッパという感じの旅行者もよく見かけます。現在の状況を見ると、確かに「観光産業」は成長しており、東京オリンピックまでは伸び続けると思う。何年前に聞いた話か覚えていませんが、『先を見ている人はよく見ている』『成る程、言っていたことはこのことだ』と改めて思います。
最近、銀座を歩いている人は個人や家族連れ、浅草はツアー客が多いように感じる。銀座は、観光バスの路上駐車はあまり見かけなくなりました。一方浅草は、元々駐車場が少ないため平日でも表通りには両側、横道にも観光バスが駐停車しています。先日行った時には、路線バスの停留所までふさいでいました。
日本へ来る観光客はまだまだ増えると思いますが、やさし過ぎる日本人がストレスに耐えられるかどうか少し心配です。