昨日5月22日(金)、地方×国政策研究会へ行ってきました。主催は自治体議員政策情報センター。午前10時~午後4時まで衆議院議員会館第2会議室で、開催されました。
第1部(午前)は、冨野暉一郎(元逗子市長)による講演、「議会は民主主義に不可欠の機関」その後、冨野氏と上原公子氏(元国立市長)そして福嶋浩彦氏(元我孫子市長)による「鼎談」。
昼食をはさんで午後は12時半~13時半まで、「これからの介護保険を議論するポイント」鏡 諭氏。13時半~15時が「医療・介護総合確保法」厚生労働省医政局・老健局・保健局職員(課長補佐)。最後は、15時~16時「公立病院改革ガイドライン」総務省職員、と盛り沢山の内容でした。
出席者は市町議会議員で、各地から来ていました。北海道や九州からの参加者もおりました。私が入っている地方政治改革ネットのメンバーも4名参加しておりました。
日頃から勉強している議員が多いので、質問も活発でした。
特に印象深かったのは、冨野紀一郎(元逗子市長)のお話と「鼎談」でした。冨野さんの話を聞くのは初めてでしたが、成る程と思うことがたくさんありました。「鼎談」の方は、全員が元首長経験者。実績を残されてこられた方々ですので、議会と行政を知りつくし、実態と課題を鋭く捉えておりました。『首長の情報量は議員の10倍はある。議員の考えていることや、言おうとしていることはほぼ分かる』との発言には、ドキッとしましたが、やっぱり首長個人によって大分違うなという印象です。働かない議員と同じで、次の選挙に繋がることは一生懸命やるが、しっかり勉強して政策の立案や判断が出来ない首長もいます。お神輿に乗っているだけなので、職員は楽だと思います。
私自身日頃、議院内閣制と二元代表制を当然のこととして受け入れ、議会・議員の役割は行政のチェック機関であり、議員は市民の代表だと思っていました。しかし、地方議会はなぜ日本で二元代表制なのか?、 なぜ議会が作られたのか?、議員は誰を代表しているのか?、議会は行政執行に係われないが、議員も係われないのか?、議会基本条例の目的は?など改めて問われると、明確に答えられません。そのことを気づかせ、議員の資質と役割について問われたセミナーでした。
ここ数年全国で、議会や議員の不要論が起こっています。『議会や議員が何をやっているのか分からない。』と感じている市民が増えています。ということは、議員が資質に欠け、役割を果たしていない。議会もまた、本来の権能を果たしていない。ということです。経済や雇用そして生活が厳しくなる中、その声は一層強くなってきています。そして昨年、兵庫県議会の「号泣議員」の出現は議会・議員に対する信頼をさらに貶めたと思います。
吉川市議会も例外ではありません。そのことに最も気づいていないのが、残念ながら議会・議員だと思います。
重要なことを1点追記します。鼎談の中で、現状の「議会」の問題点に対する指摘がありました。
行政の本質は「権力」ですが、この権力を合理化し正当性を与えるのが「議会」です。議会は行政に最終的なお墨付きを与える機関であるにも関わらず、その実感、責任を感じていないということです。
議員は議会で議案を可決しても否決しても、その責任を市長に押し付けてしまいます。自分たちが大きな権限を持っていることに対する認識、実感が乏しく、責任を取りません。議員・議会の問題点の一つであるとの指摘です。