吉川美南高校卒業式

昨日、吉川美南高校の卒業証書授与式に出席しました。
吉川高校から吉川美南高校になって、3回目の卒業式です。

卒業生は1部全日制課程・定時制課程172名、7クラス。Ⅱ部定時制課程、夜間27名、2クラス。式は午前10時と午後6時から行われました。

定時制は、4年間で卒業するコースと3年間で卒業するコースがあります。3年制は吉川美南高校になって初めての卒業生11名です。4年制の方は旧吉川高校に入学して2年目に吉川美南になった生徒たちで16名です。

どちらの卒業式も、良い卒業式でした。余分なものがない簡潔な式で、卒業生に対する愛情が感じられました。

内田 靖校長の式辞は、午前が『自助と共助・リーダーシップの旅』。二部では、『リーダーシップとフォロワーシップ』について話をされました。

『自助・共助・公助』と言う言葉があるが、特に自助と共助が大切。自助は自立を意味し、共助はお互いの強みを生かしながら弱いところを助け合うこと。公助は国や市などによるものだが、「お客様意識」で何でも行政に期待することはいけないし、これからは出来ない時代。
皆さんは地域社会のリーダーとして、力を発揮していただきたい。自分の強みを地域社会で生かす、自立した人としての活躍を期待したい。

『リーダーシップとフォロワーシップ』では、良いリーダーとなるための条件は、まずフォロワーとしての経験を積むこと。
フォロワーは、自分の意見や判断はもっているがリーダーが決めたことには従う、自分の役割を理解している人。
単なるイエスマンではない。皆さんはその資質を持っており、身に付けている。良いリーダーになってほしい。といったお話しだったと思います。

久しぶりに訪れた学校は随分と変わっていた。女子の生徒が多く、落ち着いた雰囲気でどちらかと言うとおとなしい感じの学校になっていた。教職員や校長の雰囲気も変わったと思った。

振り返れば、平成21年10月1日、県教育局の幹部が吉川市役所に来庁。県立吉川高校について、全日制を廃止し、昼・夜間の定時制高校にしたいとの意向を伝えました。全日制は募集は22年度で打ち切り、25年度から全面移行の方針で、県立高校(当時153校)再編整備計画の一環でした。

10月6日臨時議会(全員協議会)開催、背景の究明と全日制維持に向けて行動することを確認。12日には、関係団体に働きかけて緊急集会開催を決定。

市は、『全日制存続を求める市民会議(30団体)』を立ち上げました。市長が市民運動の先頭に立つのは異例ですが、小・中学校PTA、吉川高校PTA・同窓会・後援会、自治連合会、商工会、体育協会、文化連盟、市議会等、幅広い団体の参加を得て皆、精力的に活動をしました。

県に対し、存続を求める「要望書」の提出を始め、陳情・請願署名活動を実施。市議会では「意見書」を採択。吉川高校で行われた再編説明会(2回)でも計画の撤回を求めました。「要望書」の提出時には、副知事・県議会議長・教育長(教育局)とも話合いを持ちましたが、終始、『心情は理解するが再検討は出来ない』と言う姿勢は変わりませんでした。

平成22年2月18日、県教育委員会は吉川高校の全日制課程の存続を決定。定時制の一部に全日制を設ける例はなく、新たな試みとなります。吉川高校の全日制・定時制課程、草加高校の定時制課程を統合し、新たな高校を現在の吉川高校に設置。吉川高校は平成24年度まで生徒募集を行い、新たな高校の募集は25年度からとなりました。

3月9日、第5回市民会議を開催し「全日制存続を求める市民会議」解散を決め、吉川高校に代わる『新たな高校』を支援していくことを確認しました。

県教育委員会から言われた厳しい言葉。①中途退学者が多い。 ②進路が決まらず(大学や専門学校・就職)卒業する者が多い。③学力向上のため教員の加配等進めてきたが壁を越えられない。④吉川高校の活性化・特色化を図り、良い学校にしていくための再編整備計画で他に手立てがない等。

式の終了後、応接室でそんなことを思い出しながら、歴代の校長の写真を見ていたら見覚えのある顔があった。全くヤル気のない校長で、何を聞いても『それは県が決める事だから』と答えず、『自分の意見は言えない』と繰り返すばかりだった。全てが「他人ごと」のような対応で、こんなリーダーでは、生徒がふてくされ、退学するのも当然と思えた。

当時の記憶がよみがえり、ポロッと言ってしまった。『吉川高校も最後の頃は、ヒドイ校長がいた。』と。一言多かった。

現在の吉川美南高校の姿を見ると、県の「再編整備計画」も市を挙げて進めた「全日制存続」も間違っていなかったと思う。