中秋の名月

9月13日(金)は「中秋の名月」、一年で最も美しいとされる「お月見」の日でした。今日は「満月」で、今年一番小さく見える日です。

我が家でも、お花と果物を用意して待ちましたが月は出ませんでした。
お花はススキとりんどう、そして撫子です。果物はリンゴと柿、梨です。

旧暦では7月から9月が秋。中秋の名月は8月、十五夜の翌日が十六夜(いざよい)と呼ばれます。「いざよう」は「ためらう」の意味で、十五夜の月より遅くためらうようにして出てくるので、そう呼ばれます。十三夜(中秋の名月の1カ月後の月)という言葉も。

また、前にも書きましたが立待の月(たちまち・十七夜)、居待の月(いまち・十八夜)、寝待の月(ねまち・十九夜)、更待の月(ふけまち・二十日夜)という言葉もあります。

生活の中で、「季節」を感じ楽しむ感性、豊かさを感じます。
いろいろな表現、細かな違いの言葉があるということは、「文化」が深いということだと思います。日本に生まれて、幸せだと感じます。

最近、「スーパームーン」という言葉も聞きます。一年のうちで最も大きく見える「満月」を「スーパームーン」といいます。
ブルームーン、ブラックムーン、ブラッド(血のように赤い)ムーン、ストロベリームーン等、海外でも月の表現はいろいろあります。

学生の頃、英国に留学したことのある教授から「月狂条例(げっきょうじょうれい)、精神異常法」のことを聞いたことがあります。
Lunacy Act1845です。1845年に成立した精神異常者を隔離施設へ収監する為の法律です。Lunacyは「精神異常」を意味しますが、法律用語としては、「心身喪失」です。
月(Luna)から派生した単語なので「月狂」と訳されました。

当時、「満月」の日には患者たちの異常行動が起きると信じられていたことから当日は、患者達全員を柱にくくりつけていたそうです。
他の人たちもまた、「満月」の日にはおかしくなることがあると考えられていたようです。
「満月」の日に起きた犯罪は、罰せられない時代があったと伺いました。法律(月狂条例)は現在も生きています。

日本でも心身喪失や心神耗弱状態で起きた犯罪は、その責任を問えないことから無罪、あるいは罪が軽減されます。「満月」との関係はよく分かりませんが、Lunacyを「心身喪失」というのは興味深いことです。

「女性の身体は月に支配されている」と言われますが、私たちの身体や心は「月」の満ち欠けにどれ程関わりがあるのでしょうか。

やはり人は、海から生まれた生物として「月」の影響から逃れることは出来ない存在なのでしょうか。

*ベランダに出てみると月が見えました。いつから出ていたのか分かりませんが、南の空に美しく輝いています。ひと回り小さいように感じます。(9/14 PM11時45分)