藤井聡太7段が渡辺棋聖との対局で、「勝った」との速報を聞きテレビをつけた。
画面右上にLIVEの文字。藤井7段と渡辺棋聖が向かい合って駒を動かしていた。渡辺氏が何か「ブツブツ」と言いながら素早くそして立ち止まってゆっくりと。藤井7段も、相手の一手に合わせ駒を進め「ブツブツ」に応えて何か言っている。
しばらく見て、先程までの対局を再現し振り返って指していることは分かったが、なぜそうしているのかは理解できなかった。
ひとり言のように、ため息・うめきとも思える言葉を発している渡辺氏、静かに対応する藤井氏。二人とも着物姿でした。体育座りをする渡辺氏と正座の藤井氏の姿が印象的でした。
今朝(7/18)の朝日新聞社説。『藤井新棋聖「感想戦」に学びたい』で、初めて「感想戦」という言葉とその内容を知りました。
『投了後に両者が一緒に対局を振り返って、勝因、敗因などを分析する「感想戦」』『それぞれの場面で自分が何を考えたのかを語り合い、より良い一手があったのかを共同作業で探求する。人工知能(AI)でもすべてを解明することはできないといわれる将棋の奥深さと、そこに一歩でも近づこうという熱意。悔しい負けを喫したばかりの渡辺棋聖が、丁寧な言葉づかいで19歳下の藤井新棋聖に意見を請うシーンには、胸を打つものがあった。』
また、『「感想戦」に時間の制限はない。敗者が納得するまで続けるのが常だ。…熟慮や対話を通じて自らを相対化する営みが敬遠されがちな現代。将棋界が長い年月をかけて育んできた感想戦の文化から、学ぶべきことは多い。』と。
【2016年】14歳2ヶ月でプロ入りし、当時現役最年長だった加藤一二三9段とのデビュー戦で勝利。
【2017年】公式戦29連勝
【2018年】中学生として初めての5段そして7段へ昇進。
【2019年】朝日杯で優勝
【2020年】7月16日棋聖戦第4局で渡部 明棋聖を破り最年少(17歳11ヶ月)でタイトルを獲得。
「天才」と言う人もいますが、私はやはり「努力」の人だと思います。
真摯に研鑽を積んできた結果ですが、とりわけこの数年、将棋界を代表する上位陣との戦いで、力をつけてきたのではないでしょうか。トップクラスの棋士と対局し、負けたことで成長されたと思います。
他のスポーツや仕事、研究なども同じです。
強い相手と難しい・大変なことをやることで、人は成長すると分かっていますが、自分のこととなるとなかなかできないものです。
藤井聡太さんを見ていると、将来も「人間にはAIを超える考える力がある」と思えてきます。