数日前の早朝、ベランダへ出ると「キンモクセイ」の香りが、かすかにしました。
どこから漂ってきているのか分かりませんが、11階まで届いています。
緑道や通学路を歩くと、植えられた「キンモクセイ」の強い香りを感じます。沈丁花やクチナシと同様に、季節を知らせる香りです。
人それぞれでしょうが、私は、かすかに香る方が落ち着きます。
だいぶ前ですが、お香の「お家元」の話を聞く機会がありました。
お香の歴史、香木(沈水香木)、日本の気候と「移香」、お香の遊び等。
知らない事ばかりでしたので興味深く伺いましたが、特にオモシロイと思ったのは、伊達政宗と「香木」、そして「危険な使い方」もあったということです。
伊達政宗は、香木を利用して名声や富を得ていたといいます。朝廷や公家、将軍、大名等に献上し、それによって官位や名声、富を得ていたと。
伊達政宗がどんな事情で「香木」を取り扱うことが出来たのか覚えていませんが、海外との交易をしていたことから考えると、出来ない事でもないと思います。
遊びと言えば、お香を聞き、その銘を当てることでしょうが、「危険な使い方」をする遊びがあったといいます。「ドラッグ」のことは詳しくありませんが、「香り」が「ドラッグ」に代わるものになったようです。
なぜ、そんなことになるのか今も分かりませんが「香り」で人が変わってしまうのかも知れません。
数百年続くお家元の話ですので、ウソとは思えません。
「お香」も花や木のように、かすかに香るのがよいと思います。
「湿度」を利用して部屋や着物に香りを移す「移香」が、日本の生活文化と体質に合っているのではないでしょうか。
毎朝、仏壇にあげる「お線香」。炎と煙の揺らぎで、心の安らぎを感じます。