コロナ禍のこの2年、私たちの生活は変わったと感じます。働き方・学び方、買い物や外食そしてお葬式まで。
テレワーク勤務やリモートでの授業・会議・セミナーも珍しいことではなくなりました。
外に出れば皆がマスク姿で、大声で会話をする光景を見ることはありません。
東京23区では初めて転出が転入を上回り、一部の会社は地方へ移転しました。
「まん延防止等重点措置」や「非常事態宣言」の影響で、小売店は通販に、飲食店は持ち帰りやデリバリーに力を入れ、ホテル・旅館は長期滞在や新たな利活用を模索しています。
コロナ感染症が収束しても、私たちの働き方や生活スタイルがコロナ前と同じになるとは思えません。
大きな駅や繁華街でコロナまでは上手くやっていた商売も、同じ場所、同じやり方での復活は難しいと思います。
魚の群れに投網を打って、簡単に儲ける甘い商売は出来ない時代だと思います。
地価の高い都心の大きなビルで、大勢の社員を集めて仕事を続けることのリスクや非効率なやり方は見直されています。
働く側も、どこにいても仕事ができるのであれば、水と空気のきれいな土地に住み、海や山にも近い風光明媚な場所を選ぶでしょう。子育てにも良いと考えるのではないでしょうか。
大きな組織の中で高い年収を求める人はグローバル企業で働き、本当にやりたいことをして生きて行きたい人は違う働き方、生活を選ぶと思います。「豊かさ」に対する考え方の違いです。
日本の「土地本位制」は大きく変わり、「過疎地」という地域はなくなるかも知れません。
閑静な住宅地で週に2日、1日1組の予約を受ける飲食店や「過疎地」と呼ばれた土地で、地域の食材を生かした料理を提供する店や伝統的な暮らしが体験できるゲストハウス等を開く方が増えてくると思います。
自分の生活スタイルを崩さずに、生活の糧を得る仕事の選び方です。
多くのことを考え、学んだ2年余でした。生と死、夫婦、家族、地域そして働き方です。なんのために働くのか、本当は何をして生きて行きたいのか、どこで誰と暮らしたいのか。
「時代」は、突然に変わったり、明確に区切られたものではありません。数十年・数百年かけて、その時を生きる人達の考え方や生活スタイルを変えていくものだと思います。しかし、大きな「出来事」で変化を見せることもありました。戦前と戦後の変化、区切りです。
新型コロナウイルス感染症の世界的大流行は、日本でも新たな時代へ向かう「出来事」だと思います。その変化は足元から始まっていると感じます。