秋の気配

ここ数日、台風の影響もあったと思いますが朝夕の気温も少し下がってきたようです。
早朝に窓や扉を開けても、熱風が入ってくることもなく涼しい風が部屋を通り抜けていきます。
シャワーの水も「ぬるま湯」から「水」に戻ってきました。

ベランダの朝顔は一度に沢山の花をつけることもなくなり、ゼロの日もありますが、1つ2つ咲かせるのがやっとのようです。今朝は数日ぶりに1つ付けていました。
来年以降も今年のような猛暑が続いて行くのでしよぅか。

9月定例会で上程された第43号議案は、吉川市地区計画区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例です。
提案理由は「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律の一部が施行されたことに伴い、建築基準法の規定による建築物の容積率及び建蔽率に関する制限の適用除外に係る規定の追加その他所要の改正をしたいので、この案を提出するものである。」としています。市条例の一部改正の多くは上位法の改正に伴う改正ですが、今回の改正は日本での「地球温暖化対策」の具体的取り組みの一つとして出てきたものだと理解しています。

具体的には、1省エネ化のため外壁断熱等の緩和。外壁断熱の面積増加分を容積率及び建蔽率に算入しないことや庇の取扱いと、2省エネ化のための建築設備の緩和。機械室内に省エネの給湯設備を設置した場合、機械室等の床面積を容積率の算定床面積から除くことができるというものです。

「いよいよ」というか、「やっと」出てきたのかと思いました。
脱炭素社会は、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする社会ことです。温室効果ガスにはフロンなどもありますが、大部分は二酸化炭素です。人間や他の生物が生きていくためには、二酸化炭素を出さざるを得ません。また工業化社会での生産には二酸化炭素の排出が伴います。そこで出てきた考え方が「カーボンニュートラル」です。温室効果ガスの排出量を出来るだけ抑えつつ、やむを得ず排出する温室効果ガスは違う形(森林など)で吸収し、プラス・マイナスゼロにするという考えです。

「地球温暖化対策」の国際的枠組みであるパリ協定での目標は、「2050年」までに地球の気温上昇を産業革命以前と比べ1.5℃以内に抑えることです。気候変動による影響は深刻で異常気象や海面上昇が起きていますが、1.5℃以上に上昇すると各地で砂漠化が進み生態系の破壊や水資源の枯渇、健康被害などが発生し人類だけでなく全ての生き物の生存基盤が揺らぐことになります。80億人の人々と全ての生き物が命の危機に陥ることになるかもしれません。

国は、脱炭素社会の実現を進めるため2021年5月「改正地球温暖化対策推進法」を成立させ「2050年」までに脱炭素社会実現を示しました。さらに、それを進めるための具体的取り組み内容と工程表を策定し、2030年度までに100カ所の「脱炭素先行地域」を作り、再生可能エネルギーを中心とした取り組みをすることが明記されています。

2030年以降は全国で実施する予定ですが、その中で脱炭素の基盤となる重点対策として「住宅や建築物の省エネ性能の向上」の他、「屋根置き等の太陽光発電パネルを設置し、自家消費出来る太陽光発電を導入」「EV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)といった電動車の導入促進」「食料・農林水産業の生産力向上」等があげられています。

私たちの暮らしやモノづくりまで一つの方向性が示されたということですが、すでにその方向に向かって全世界が進んでいます。脱炭素社会の実現が予定通り出来るかどうか分かりませんが、国・地方・企業・個人あらゆる組織と人が取り組まなければならない課題です。とりわけ、豊かさと便利さをひたすら求め、享受してきた私たちの世代は、さらに頑張る責任があるように思います。